NHK杯戦 船江恒平六段VS里見香奈女流五冠
本日放映されたNHK杯テレビ将棋トーナメントは久しぶりに面白かった。
終盤に至るまで先手の船江六段が終始優勢。
終盤でAI評価値 は二転三転。
82手目里見女流の 6五金 の局面は先手がまだ勝っていた。
ここで船江六段は 6三金 と打ち 8二玉 と逃げられて逆転。
正着は 8五桂。
以下 同歩 7四歩 6二玉 5四角 で先手の勝ちだった。
8二玉 以下先手は 7四桂 と王手を繰り出した。
里見女流は 7四桂 を 同銀 と取ってしまったので再逆転。
正着は 同銀 ではなく 9二玉。
以下 7三金 と詰めろをかけられるが 8一銀 と受けて助かっていた。
同銀 以下 7三角 9二玉 と進行した。
この局面で船江六段は 7二金 と指してしまったので再々逆転。
正着は堂々と 7四銀 と取る手だった。
以下 6六角 と飛車を取られるが 7七歩 と打って先手玉は詰まない。
以下 8三金 と受けるくらいだが、9一角成 が厳しい。
同飛 なら 8三銀成 で詰み。
9一同玉なら 8三銀成 で後手玉に受けは無く、先手玉に詰みはない。
後手の持ち駒は飛角銀桂と歩が3枚もある。
いかにも先手玉はあぶなく、7四銀 と踏み込めなかった。
30秒で読み切るのは厳しく最善手を逸したのもやむをえまい。
本譜 7二金 には 7一銀 がうまい受けで万事休す。
二転三転のたたかいも終焉の時をむかえた。
たいへん面白い将棋でご両所の健闘に拍手を送りたい。