わたしを離さないで
10月30日(土)@TOHOシネマズ六本木ヒルズスクリーン7。
こんな時期に台風接近とやらで風雨強し。
雨はともかく、風は自転車の大敵だ。
今日は冷静に地下鉄で六本木まで出かけることにした。
監 督: マーク・ロマネク

キャスト
キャシー・H☆キャリー・マリガン
トミー☆アンドリュー・ガーフィールド
ルース☆キーラ・ナイトレイ
エミリ先生☆シャーロット・ランプリング
ルーシー先生☆サリー・ホーキンス
【ストーリー】
外界から完全に隔絶され、田園地帯にひっそりとたたずむ寄宿学校で共に育ったキャシー、トミー、ルースの3人。
彼らは、特別な存在としてこの世に生を受けたことから数奇な運命に翻弄(ほんろう)されていく。
【感想】
珍しくカズオ・イシグロの原作を読み、予習してからの鑑賞。
実は、原作の読了にとても苦戦した。
正直言って、あまり入り込んで読める作品でなかったのだ。
よって、さほど期待はせずに鑑賞。
“17歳の肖像” のキャリー・マリガン
“BOY A” のアンドリュー・ガーフィールド
大好きなキーラ・ナイトレイの出演作だから観ざるをえない。(笑)
結論としては
まあ普通作で特に勧められるほどの作品でもなかったなあ
という感じ。
時間があったらどうぞ。
終映後に監督とのQ&Aコーナーがあった。
(監督)日本語で「こんにちは!どうもありがとうございます。」
(司会)繊細で美しい作品ですが感想は?
(監督)今回が初来日なんですがとても興奮しているし楽しみにしています。
すぐに会場内の観客からの質問コーナーにはいる。
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【ネタバレ内容含みますので、真ッさらな状態で観たい方はパスしてくださいね!】
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質問①臓器提供についての監督のスタンスは?
行き過ぎを懸念するのかこれくらいやらないと救われないと言う立場なのかどっち?
この質問者は質問だけすればいいのにムダ話が多くていらついた(笑)
(監督)臓器提供や生命科学など、そういうトピックには興味ない。
原作もSF的要素は比喩的に使っている。
もっと大きな人間のありかたがテーマ。
短い命を設定しその中でどう生きるか。
倫理観については映画を観終わったあと、食事に行った時話し合ってほしい。
一番描きたかったのはラブストーリー。
予想通りの回答でつまらん質問するなよと思った(笑)
質問②主人公たちが海辺で発見するボート。この船の意味は?何のシンボル?
(監督)It's just a place.
ルースがトミーとキャシーに離れた場所で告白する。
かけ離れた場所。
船については自分の考えをおしつけたくない。
自由に解釈してほしい。
原作のカズオには聞いていないし、本能的に感じて欲しいと思う。
質問③原作ではキャシーが Never let me go を聞いているのを見るのはマダムだけど、それがルースに置き換わっている理由は?
(監督)ラブストーリーに焦点をあてるため。
膨大な原作を、キープする部分とカットする部分を決めて脚色した。
とても難しい作業だった。
トミーとキャシーに関わること、盛り上げることは残した。
原作のあの場面はとても好きで残したかった。
トミーからもらったテープを聴くキャシー。
ルースが発見する方がラブストーリーにフォーカスできると判断した。
(司会)原作者のカズオ・イシグロとの関係はどんな感じ?
(監督)我々を全面的に信頼してくれた。
脚本のアレックス・ガーランドとイシグロは10年来の友人ということもあり一体感をもったチームでできた。
アレックスはシンプルにエッセンスを抽出し私がそれに肉付けし詳細を付与した。
カズオは質問に答えてくれたし現場にも1,2回来てくれた。
試写にも来てくれて私はとても緊張していたが涙ぐんで観てくれた。
サジェスションもくれたし、やさしいおじという立場で見守ってくれた。
質問④子供時代と大人とキャストを分けているが違和感のないことに驚いた。
特にトミー役は動きまで似ていた。
演出面で気をつけたことは?
(監督)原作はユニークな作品で一幕は子供が担うことになる。
たいていの作品は少しフラッシュバックするくらいだがこの作品は違う。
一幕は大きな責務となるのでいい子役をみつけることが重要。
何千人の子供をみて選んだ。
大人役は決まっていたので彼らに似た子を探した。
子役と大人役の統一感を出すためリハーサル期間をとりいっしょに過ごした。
一幕を大人役が演じて見せたり、演出助手のかたちで来てもらったりした。
質問⑤一番苦労した点は?
(監督)Joyfull experience.
とても楽しい経験であまり苦労はしていません。
皆が原作への愛情を持ち、絆がしっかりとしていて良いコラボレーションができた。
あえて言えば、原作のデリケートで奇妙な設定をどう映像化するか。
参照する作品がないという困難の中、原作のユニークなトーンをうまく表せたらいいなと思いながら撮りました。
質問⑥3人のキャスティングはどのようにされたのですか?
(監督)3人がすばらしいから!
どうやって見つけたかと言うと、最初はキャシーのキャスティングで苦労しました。
サンダンス映画祭で “17歳の肖像” をみたケイト・ダウドから
「見つけた!」とeメールが来てキャリー・マリガンが決まった。
そうしたら、キーラ・ナイトレイのエージェントから電話がかかってきた。
キャリーとキーラの二人は仲が良いのです。
この電話があった日は幸せな一日でした。
“ボーイA” みてアンドリュー・ガーフィールドがすばらしいと常々思っていた。
三人それぞれ違う個性があり、その三人が和音をかなでる。
やっぱり最高だった。
最初の質問者以外は簡潔で良い質問だった。
質問者の意見や経験なんか誰も聞きたくない。
映画に関する質問を簡潔にする。
それが重要だ。
質問6人のうち二人は英語で質問していて、さすがに国際映画祭とへんなことに感心。(笑)
この記事へのコメント
Q&Aパスして観に行った『ハッピー・ポエット』、これよかったですよ。 当日券いっぱいあったから、まっつぁんこさんもこっち観に来ればよかったですねー(笑)
私も原作読みまして、映画と両方のいいとこ取ってきたかなと思いました。 ただもうちょっと描写あってもよかったかなと。
上映時間短いのはそのせい?
私のレビューはいつになるか分かりませんが気長に書きます(笑)
すばやいコメントありがとうございます。
ブログの冒頭に“ネタバレ”と断ってますからね(笑)
でも、質問1の前にスペース空けて、「まっさらで観たい人はパスしてね」と入れておきます。
roseさんと同じ映画祭で観てらしたんですね、
監督のQ&Aもありがとうございます♪
私は観てから原作読みました~
事後ですがリンク貼らせていただきました☆
改めてよろしくです。
というか、roseさんに教えてもらって観に行ったのです。券取ってから原作読んでお勉強。
Q&Aはいちいち通訳がはいり少しうっとおしい。(笑)時間のわりに少なめなのはその所為です。