ヘヴンズ ストーリー



10月10日(日)@銀座シネパトス。
夫婦50割ふたりで3,600円で鑑賞。
スクリーン1座席数177の観客は20人とちょっと。
2週目の日曜日で稼動15%では厳しい興行なのでは?

尺の長さでは「愛のむきだし」を上回る本作。
はたして内容で上回ることができたのか?

ヘヴンズ ストーリー@銀座シネパトス
ヘヴンズ ストーリー.jpg

(C) 2010 ヘヴンズ プロジェクト
制作年:2010
制作国:日本
日本公開:2010年10月2日
上映時間:4時間38分
配給:ムヴィオラ

監督 瀬々敬久

キャスト
サト ☆ 寉岡萌希
トモキ ☆ 長谷川朝晴
ミツオ ☆ 忍成修吾
カイジマ ☆ 村上淳
恭子 ☆ 山崎ハコ
タエ ☆ 菜葉菜
ハルキ ☆ 栗原堅一
カナ ☆ 江口のりこ
直子 ☆ 大島葉子
サトの父 ☆ 吹越満
サトの母 ☆ 片岡礼子
弁護士 ☆ 嶋田久作
鈴木 ☆ 菅田俊
シオヤ ☆ 光石研
黒田 ☆ 津田寛治
チホ ☆ 根岸季衣
美奈 ☆ 渡辺真起子
女医 ☆ 長澤奈央
波田 ☆ 佐藤浩市
ソウイチ ☆ 柄本明

【ストーリー】
8歳のサト(本多叶奈)が友達と海で遊んでいると、近所のおばさん(渡辺真起子)が慌てて車で彼女を迎えに来る。
サトの両親と姉がトラブルに巻き込まれて殺害されたため、彼女はひとり暮らしの祖父(柄本明)に引き取られることになったのだ。
同じころ、トモキ(長谷川朝晴)は見知らぬ少年(忍成修吾)に妻と幼い娘を殺され……。

【感想】
結論から言う。

愛のむきだし には到底およばなかった 残念!

「愛のむきだし」を見終わった時は放心した。
あふれてくるパワーに圧倒され、また感動もしたのだ。
しかるに、本作の場合はどうだ。
正直言って、長さによる疲労感しか残らなかった。
これなら、もっと尺は短くできただろう。

何が悪いか。
①感情移入できない主要キャラクターが多過ぎる。
いくら、トラウマをかかえた警官とはいえ、復讐屋なんか開業しない。

サトもお父さんお母さんお姉さんを殺されて大変とは思う。
が、どこでどうやってトモキやミツオのことを調べたんだろう。
行動が不気味すぎて生身の人間という感じがしない。
サトがトモキをほおっておけば悲惨なことにはならなかった。

②リアリティーを失わせる拳銃
カイジマが真昼間の動物園で拳銃もってターゲットを追いかけるシーンがある。
なんで他に人が誰もいないんだろう。
カイジマは、すぐに撃ち殺さずに何故追い掛け回す?

カイジマの家のトイレのタンクでカナは拳銃をみつける。
警察が手入れしているのに、そんなところを見逃すの?

拳銃を持ち出したカナはミツオに発砲する。
撃ち方をどこで習ったんだ?
撃てたとしても、当りっこない。
ああそれなのに命中する。
どんどんリアリティーがなくなっていく。
およそ、日本の映画ではよほどの説得力がないかぎり拳銃の登場はタブーだと思うのだ。

面白いなと思った点はいくつかあった。
①女医の会話
自分が死んだあとも世の中は続いていく。
そんなことを考えると怖くてしかたなかった。
今はあまり考えなくなった。
そんなことをしゃべっていた。
わたしもまったく同じようなことを考えていた。
ふだんそんなことを語りあったりすることは滅多にないので面白かった。

②団地のロケーション
三ヶ所の団地が繰り返し登場する。
もっとも注目したのが、廃墟になった団地跡。
昔は炭鉱だったと言っていたから北海道ではないかと思った。
何度か繰り返し登場するこのロケーションが面白かった。

トモキやカイジマが住んでいる島の団地の景色も面白い。
もっとも都会にあると思われるもうひとつの団地が最もつまらなかった。
廃墟と島の団地はいったいどこなのか知りたいと思った。

③何度か出てくる人形舞台
お面をつけた人形を操るシーンが面白い。
昼間のシーンよりも、夜間の篝火を焚いてのシーンの方がより印象的。

互いに傷つけあい殺しあって、復讐がどうのこうの言ってる生き物は人間だけ。
そんな人間の行為とは関係なく、ホモサピエンスの遺伝子は受け継がれていく。
個体にとっては自分だけが全てだが
自分の子に自分の遺伝子が伝わる確率は二分の一。孫なら四分の一。
limit (1/2)^n=0
n→∞
そのうち、個に伝わる個の遺伝子はゼロになる。
個の遺伝子には意味がないのだ。
が、それぞれの個体が自分の遺伝子を最大に残そうとする行為が、ホモサピエンスとしての種を残すのに都合がいいだけ。
個の都合による殺し合いや復讐は無意味だ。
どうせ無意味な人生なら、なるべく明るく楽しく、余分な争いはしないこと。
いつもの結論に落ち着いた。(笑)

この記事へのコメント

rose_chocolat
2010年10月28日 07:35
TB入らない。。。
4時間38分は長いよねー。
途中まではよかったんだけど、結局他人に自分がしたかったことをさせるって? と、そこで引っかかったのでキツかった。
『愛のむきだし』は上手く説明できないけど面白かったことを改めて認識しました(笑)
まっつぁんこ
2010年10月28日 19:29
rose_chocolatさんこんばんは!
このお話はカイジマを除去して再構成してみると良くなるような気がしませんか?
MVPは仰せの通り山崎ハコさんですね。
rose_chocolat
2010年10月29日 08:10
カイジマとは誰でしたっけ? というか
多過ぎて覚えられません。 笑
まっつぁんこ
2010年10月29日 12:04
rose_chocolatさんこんにちは!
カイジマは、拳銃を奪おうとした犯人を撃ち殺してしまったのがトラウマになっている警察官ですよ。
突然ハコから死体になって出てきてしまう彼です。
ふじき78
2010年11月04日 01:33
こんちは。
とりあえず退屈はしなかったんですが、コアな部分だけ取り出したら90分くらいに収まったんじゃないだろうか? 278分でも成立するけど、脇としていらないエピソードは多い。後から再登場とかさせないなら柄本明とかいらないし。
まっつぁんこ
2010年11月04日 08:06
ふじき78さん おはようございます。
90分かどうかはさておき(笑)もっと短くした方が良いとは思います。カイジマはカットして柄本明さんをもっと登場させた方がよかった。サトがどうやって暮らしているのかさっぱりわからないところも弱点のひとつだと思いますので。

この記事へのトラックバック

  • ヘヴンズストーリー

    Excerpt: 8歳の少女サトは、両親と姉を殺され、祖父に引き取られる。 サトはテレビの画面の中で「法律が許しても、僕がこの手で犯人を殺してやります�... Weblog: 単館系 racked: 2010-10-18 23:50
  • 『ヘヴンズストーリー』は昔からある宗教の映画だよ。

    Excerpt:  今回は長いので話題なのか、内容で話題なのかの作品『ヘヴンズストーリー』の感想でございます。  観に行った映画館はユーロスペース... Weblog: かろうじてインターネット racked: 2010-10-21 14:28
  • 『ヘヴンズストーリー』(2010)/日本

    Excerpt: 監督:瀬々敬久出演:寉岡萌希、長谷川朝晴、忍成修吾、村上淳、山崎ハコ、菜葉菜、栗原堅一、江口のりこ、大島葉子、吹越満、柄本明鑑賞劇場 :ユーロスペース公式サイトはこちら... Weblog: NiceOne!! racked: 2010-10-28 06:22
  • 『ヘヴンズストーリー』をユーロスペース2で観て、まず長さについて語るのは正等と思う男ふじき☆☆☆

    Excerpt: 五つ星評価で【☆☆☆普通。こういう話題は別にこの映画で初めて語られた訳ではない】       何と言っても4時間38分。 まあ、まず長さが話題だよね。 なんで長さが話題になるのかってと、 思った以上に.. Weblog: ふじき78の死屍累々映画日記 racked: 2010-11-05 00:48
  • ヘヴンズ ストーリー

    Excerpt: 近年稀に見る長さの映画だということに興味をひかれて、少し前になりますが、『ヘヴンズ ストーリー』を渋谷のユーロスペースで見てきました。 (1)長時間映画と言えば、クマネズミにとっ... Weblog: 映画的・絵画的・音楽的 racked: 2010-11-28 07:09
  • 「ヘヴンズストーリー」(2010 ムヴィオラ) 瀬々敬久監督

    Excerpt: 少なくとも、こんな作品が製作され、公開され、評価され、あまつさえヒットしている Weblog: 事務職員へのこの1冊 racked: 2011-03-05 13:01