
(C) 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
製作年:2017年
製作国:日本
日本公開:2017年2月25日 (新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか)
上映時間:2時間7分
制作プロダクション・製作:パラダイス・カフェ 製作:電通 / ジェイ・ストーム / パルコ / ソニー・ミュージックエンタテインメント
配給:スールキートス
脚本・監督: 荻上直子
キャスト
リンコ☆生田斗真
トモ☆柿原りんか
ヒロミ☆ ミムラ
ナオミ☆小池栄子
佑香☆門脇麦
ヨシオ☆柏原収史
カイ☆ 込江海翔
サユリ☆りりィ
フミコ☆ 田中美佐子
マキオ☆桐谷健太
他
【ストーリー】
母親が家を出てしまい置き去りにされた11歳のトモ(柿原りんか)が、おじのマキオ(桐谷健太)の家を訪ねると、彼は恋人リンコ(生田斗真)と生活していた。トランスジェンダーのリンコは、トモにおいしい手料理をふるまい優しく接する。母以上に自分に愛情を注ぎ、家庭の温もりを与えてくれるリンコに困惑するトモだったが……。
【感想】
舞台挨拶つき完成披露試写会で観劇。
指定席券への引換時(18時前)に普通の席はなくなっていた。
舞台挨拶は後ろで観て、マスコミ退場後に前方マスコミ席で観ろと言う。
「レヴェナント」のように追い払われるよりマシだが印象は悪い。
ピカデリーの入り口前に評判最悪の“電通”の関係者受付がえらそうにすえられている。
“電通”はしばらく引っ込んでいればいいのに、関係者たちがじゃまなところで我が物顔にふるまっていた。まったく反省なんかしていない。
電通なんかと提携せずに作って欲しいものである。
観衆がちゃんと観に行かないからスポンサーなしに映画が作れず、電通みたいな終わった会社がのさばる原因を作るのである。
白髪の社長が辞めたからといって奴らは何も反省していないし変わりっこない。
と映画の内容にも舞台挨拶にもふれずに終わってもいいのだが・・・(笑)
舞台挨拶の登壇者は主演の生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、田中美佐子、門脇麦と荻上監督。門脇麦が小さいことがわかった。最初にひとことずつ。
(生田)彼らが本気で編むときは、はっきり言って傑作です!荻上監督の本気と俳優陣の本気をぜひ受け取って欲しいです。俳優人生の中で最も苦労した役柄でしたが本当に素敵な脚本で一文字一文字から荻上監督の本気を感じてぜひやりたいと思いました。
(桐谷)斗真の言う通り、本当に素晴らしい作品です。映画らしい映画になったと思います。上映後のみなさんの表情もぜひみてみたい。斗真と自分でしか出せない空気を出せたらいいなと思って撮影に臨みました。
(柿原)この作品に関わった方の想いも含めてすべてがみどころだと思います。
(ミムラ)荻上監督の作品はお客さんとしても大好きでしたのでオファーいただけて「やった!」と思いました。私が演じたヒロミなど今回はいつもの荻上さんのテイストとちょっと違う要素も入っているかと思いますのでそうした部分も楽しんでもらえたら嬉しい。
(門脇)私も念願の荻上組の参加となり本当に嬉しいです!撮影期間は2、3日でしたが、とても愛情が湧く愛おしい作品です。
(田中)台本を読んだ時「絶対やりたい!」とマネジャーに伝えたくらい切なくて暖かくて穏やかな空気が流れている素敵な作品です。
(荻上)5年ぶりの映画となってしまいまして、今日この舞台に立てていることが本当に本当に嬉しいです。5年間毎日映画が作りたくて作りたくてしょうがなくて、このように素敵なキャストとスタッフの方と本作を作り上げることができて嬉しいです。100%のわがままを詰め込ませていただいた作品です。
映画のタイトルにちなんで、本作で本気になったことを聞かれて生田は“母性”桐谷は“リンコ”と答えた。
(生田)30代になって、そろそろ父親役もやるのかな、なんて思っていたら女性役が最初にきて驚きました。りんかちゃんと接して胸が締め付けられたり今まで感じたことのない母性を感じました。りんかちゃんにはすごく感謝しています。
(桐谷)この映画ではやっぱり斗真が美しく見えることが大切だと思い美しくなるお手伝いが出来たらいいという思いで本気で撮影に臨みました。これまでは「俺が一番目立ってやる!」と思って参加していたのですが初めてそういう感情を抱きました。
(柿原)編み物に本気になった。撮影中もカバンの中に入れて持ち歩いていましたし、撮影が終わった今でも続けています。上手に編むことよりも大切な何かを本気で編むことで沢山学べたと思います。
(ミムラ)タヌキ寝入り。りんかちゃんがとても聡い子なので、りんかちゃん演じるトモの母親ヒロミはこの作品の異物でなければいけないと感じたため、彼女とあまり話さない方が作品にとって良いかもと思って辛かったのですがタヌキ寝入りしていました。りんかちゃんごめん。
(門脇)白無垢。結婚式のシーンは私の役割で一番重要なシーンだと感じています。白無垢は布団を羽織っているみたいにすごく重かったのですが汚さないように持ち上げたりしなければいけなかったり本当に大変でした。本番は必死でほほえみました。
(田中)ニセ乳。実際に私にも娘がおりますが、劇中で子供時代のリンコから本気でカミングアウトされた時、母として「この子を本気で救いたい」って思いました。そのこのためにニセ乳を編むのですが、そのシーンが一番本気になっていたかなと思います。
(荻上)脚本。とにかく毎日毎日本気でした。生田さんと桐谷さんが最初に並んだ時に男の友情の匂いがしたのですが、夜中に3人で飲みに行ったり本気で話して徐々に良い関係になっていったのが嬉しかったです。
第67回ベルリン国際映画祭パノラマ部門へ正式出品、さらにジェネレーション部門でも特別上映が決定したことが発表された。監督と主演の3人がベルリンに行く。
監督からうながされ
(生田)ありがとうございます。われわれこの映画でベルリンに行ってきます。海外の方が日本の文化のかたちをどう感じられるか楽しみです。
(桐谷)ベルリンに行きたいです。斗真一緒に行こうね。
舞台挨拶は終了し、観客をバックにしたフォトセッション。
時間がかかってイライラ。
最初は生田斗真なしの撮影。写真NGなのかと思ったらあとから登場してもう一回撮影。
ようやく終了したと思ったら最後に生田斗真から
(生田)荻上監督の指揮のもと“本気”で作り上げました。皆さんの心の中にそっと寄り添う作品になったと思います。
40分の長いイベントだった。
映画は良かった。電通いなければもっと良かった。
最初は状況が呑み込めずとまどった。
が、そのうちわかってくる。
育児放棄の母ヒロミのせいで叔父マキオに助けを求めるトモ。
マキオの家に転がり込むとそこにはリンコがいる。
リンコとマキオは、マキオの母サユリが入所している老人ホームで知り合った。
サユリを演じたりりぃはこれが遺作である。
(舞台挨拶でもふれられていた)
トモの友人カイもLGBTで理解のない母親がいる。
母ナオミを描くことにより物語に重層的な厚みが加わった。
荻上監督の前作「トイレット」や「めがね」はちょっとたるくて期待外れだったけどこの作品は楽しめた。
この記事へのコメント