
(C) 2017 "ERNESTO" FILM PARTNERS.
製作年:2017年
製作国:日本/キューバ
日本公開:2017年10月6日 (TOHOシネマズ新宿ほか)
上映時間:2時間4分
配給:キノフィルムズ / 木下グループ
脚本・監督: 阪本順治
キャスト
フレディ前村ウルタード☆オダギリジョー
エルネスト・チェ・ゲバラ☆ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ
中国新聞社 森記者☆永山絢斗
フィデル・カストロ☆ロベルト・エスピノーサ・セバスコ
グスタボ☆ルイス・マヌエル・アルバレス・チャルチャバル
ホセ☆アルマンド・ミゲール
アレハンドロ☆ヤスマニ・ラザロ
ハシント☆ダニエル・ロメーロ・ピルダイン
ルイサ☆ジゼル・ロミンチャル
ベラスコ☆エンリケ・ブエノ・ロドリゲス
ホアキン☆アレクシス・ディアス・デ・ビジェガス
タニア☆ミリアム・アルメダ・ヴィレラ
広島県庁外事課 矢口☆田中幸太朗
他
【あらすじ】
日系二世として生まれ、医者になることを夢見るフレディ前村(オダギリジョー)。キューバのハバナ大学に留学した彼だったが、キューバ危機に直面する。混乱の中でチェ・ゲバラ(ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ)と出会ったフレディは、その理念やカリスマ性に感銘を受ける。やがてゲバラの部隊に加入した彼は、ゲバラのファーストネームであるエルネストを戦士名として本人から授けられる。そして、ボリビアの軍事政権を倒す戦いに身を投じるが……。
【感想】
フライヤーは安っぽいが中身は淡泊な高級魚!
上映前に阪本順治監督による舞台挨拶があった。
司会の団塊じじいがまず“監督は非常に多様性のある作品を作られているがなぜ?”なんてことを聞いた。
監督の答えは“わからない”。しょうもないこと聞くなよ(笑)
次にエルネストを映画化するきっかけをきいた。
“2013年に別の企画で人物を日系移民に設定。ペルーやボリビアを調べてフレディー前村のことを知って映画化しようと考えた”
次の質問は映画のスタートを広島にした意味について。
“チェ・ゲバラが日本に来てけんかしたのは知っていた。フレディー前村がハバナ大学に留学する3年前のできごと。すぐにキューバ危機が起きた。
広島を訪問して核問題を認識できたのはチェ・ゲバラだけ。“
司会から“チェが来日した時の日本の対応をよくみて欲しい”
監督から“いまも変わっていない”
映画の冒頭、チェ・ゲバラは随行員と駐日大使の3人で広島を訪問する。
原爆ドームを訪問し、原爆記念館で原爆の悲惨さを目の当たりにする。
そしてゲバラは“アメリカにこんなにひどい目に合わされて、何であなた方は怒らないのですか?”と質問するのである。
日本政府がセットした観光はパスして原爆記念病院も訪問する。
日本側は、下っ端役人が一人案内役として随行しただけ。
チェ・ゲバラの階級は中佐。本当は最高司令官なのに肩書は中佐なのでぞんざいな対応になった。
他にも映画の中にはチェ・ゲバラの心に響くセリフが鏤められている。
司会からの次の質問はロケは現地?
“広島以外はキューバ”
キューバはいかがでしたか?
“日本と違って映画監督は尊敬されていますね”(場内笑)
“治安が良くて非常に親日的。日本の映画もよくみていて一番のスターは勝新太郎。
野球が盛んで、イチローはどうしていると地元の人にきかれてちょっとわからないと答えた(笑)“
最後に監督から
“戦闘シーンがあると思われるかもしれませんがほとんどありません。
フレディー前村が医学の勉強のためにハバナに留学するがメスを銃に持ちかえることになる。その理由は何か?仲間との交流も含めて描いた一言でいえば青春映画です。
ごらんになってもし気に入ってもらえたら、まわりの人にすすめてください。”
オダギリ・ジョーのことも話題にのぼった。
彼は12キロ減量し、ボリビアの田舎方言のスペイン語をマスターして演技。
まったく違和感のないスペイン語でなかなかすごい。
もっとも、現地の俳優を使えば簡単だったのでは?と思わなくもなかった。
映画は監督の言うとおり、最後のボリビアでの戦闘はあっさり。
淡々と描いているが中身は高尚だと思う。
できればフライヤーも、もう少し高級感のある仕上げにして欲しかった。
チェ・ゲバラを演じたホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ は、ソダーバーグのチェでゲバラを演じたベニチオ・デル・トロより実物に似ていたと思う。

この記事へのコメント
yutarou
まっつぁんこ
ソダーバーグのチェ二部作をごらんください。
yukarin
確かに現地の俳優でもという気もしますがやはりオダギリジョー頑張りました的な宣伝がないと^^;
まっつぁんこ
色々イベントやっていたと思います。
それなのに何も伝わってきませんねえ。
なんでだろ?
わりと良い作品なのに残念!
クマネズミ
まっつぁんこ
母国が大変なことになっているのにのんびり勉強している場合ではないと考える人がいても不思議ではないと思います。それは普通と考えてボリビア事情は省略したのでしょう。尺が長くなり過ぎますし(^^♪