本日放映されたNHK杯テレビ将棋トーナメントは久しぶりに面白かった。
ハイライトはやはり終盤。
NHKの将棋AI評価値はおかしく、サスペンスが増す(笑)
85手目に飯島八段は4一銀と打った。
この局面のNHKAI評価は5-95で後手の勝ち。
後手が6一玉と引くと19-81に低下した。
たしかにこの局面は後手良しだが 5三玉 が最善で 6二玉 が次善だと思う。
後の展開でそれがわかる。
6一玉 以下 5八金 4七角 7九玉 5八角成 8八玉 5九飛成 9六歩 と進行。
この局面は既にあやしい。
6七金 と指すと 同金 同馬 のあと後手玉は詰み。
金は渡せない。
6八金は 8九金 と打たれて千日手だろう。
一手空くと 7四桂 と詰めろに打たれてあわてそうだ。(受けて勝ちだが)
4一銀に対し 5三玉 と逃げておけばこんなややこしいことにはならなかった。
85手目の局面は後手勝ちだったのになぜ少し紛れたのか?
4七角 はカッコ良かったが、4七銀成 としておいた方が良かったのでは?
以下は本譜と同様に進行するだろうが持駒に角があるのとないのとでは大違い。
そのあたりの攻防が明暗をわけた。
9六歩 以下は 7六桂 9七玉 9九龍 9八金 8九龍 と進行。
AI評価は97-3で先手勝ち。
ところが飯島八段が 7三歩 と指すと19-81に大逆転。
7三歩 のところは 7四桂 の方がマシだったが受けられるとどちらにせよ先手困っていた。
本譜は 7三歩 同金 8五桂打 と進行。
ここで大橋六段は 7八龍 と取ってしまったので後手玉に詰みが生じた。
詰め手順は、5三桂 7一玉 6一飛 7二玉 7三桂成 同玉 8五桂 8四玉 8一飛成 8三金 同龍 同玉 7三金 8四玉 9五金 まで。
飯島八段は 8一飛 と打ってしまったので本当は 7一金 と打たれて詰まなかった
が、その場合は 7三桂成 で勝ち。
7八龍 以降は先手勝ちになっている。
7八龍 のところは 6三金 と受けておけば大橋六段の勝ち。
たとえば 5五桂 と両取りをかけてくれば 7八龍 と金を取り、6三桂成 なら 8六金 同玉 7七龍 7五玉 6八桂成 8四玉 8二香 9五玉 9四金 で詰み。
ずっとリードを保っていた大橋六段が最後着地に失敗した残念譜。
NHKのAIは改善した方が良いのでは?
わざとやっているなら策士である(笑)
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