第79期名人戦七番勝負第4局渡辺明名人VS斎藤慎太郎八段

第79期名人戦七番勝負第4局は133手で渡辺名人の勝ち。
対戦成績を3勝1敗として名人初防衛まであと一勝とした。
4局目時点で1勝3敗からの逆転は(0勝3敗からの逆転2ケースを除けば)1992年中原名人と高橋八段の第50期名人戦くらいしか思いつかない。
斎藤八段は苦しくなったが第5局はふんばって欲しい。

将棋は二転三転。ペースは先手渡辺名人が握り楽勝かと思った。
ところが78手目の3七銀が勝負手。
2021-05-20a.png

以下 同飛 6八金 8八玉 3七馬 同桂 8六歩 7七玉 6九飛 と進行して差が詰まった。
2021-05-20b.png

87手目5六銀上では3四角がAIの推奨手。
渡辺名人は3四角に成算が持てず見送った。
3四角 と指すと後手は 4三金 と上がってくる。
この局面は渡辺名人の言うとおり難しい。
AIでないと指せない手かもしれない。
以下 5六銀上 6七金 同銀 8七歩成 6六玉 7五金 5七玉 6五金 5六銀打 6六銀 4六玉 5六金 同銀 と進行して逆転。
2021-05-20c.png

次の100手目斎藤八段は 5五銀打 と指して再逆転。
3四歩 と詰めろをかければ勝っていたのではないかと思った。

いずれにせよ際どい将棋でAI評価値では計り知れない人間の戦いがあった。
今日もいいもの魅せてもらった。感謝。
御両所の今後の健闘を祈ります。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック