第34期竜王戦1組 4位出場者決定戦 羽生善治九段 VS 木村一基九段

昨日の竜王戦1組 4位出場者決定戦 羽生善治九段 VS 木村一基九段は二転三転。
最後は痛恨の大悪手で急転直下。
羽生九段の大逆転勝ちとなった。
お二方の竜王戦では、羽生先生の一手頓死が印象に残る。
今回は立場を変えて同じような状況が現出した。
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中盤は何が悪かったのか、後手の木村九段がペースを握る。
ずっと優勢を維持して終盤に突入。
ここで木村九段は 6四飛 と指したので 7三馬 と進行してよりが戻った。
以下 3四玉 2三と 3三金上 同と 同金 と飛車の入手を見込んだ攻めで逆転模様。
羽生九段は 2二銀不成 と遊んでいる銀を活用。
6六歩 6四馬 同銀 5六金 2七銀 4五金打 と進行した。
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4五金打 は悪手で、負けていれば敗着の烙印を押されていただろう。
この局面はほぼ互角に戻っていたので 6九金打 と守っていれば激戦継続。
以下 同歩 同金 2五玉 2七飛 と進行してクライマックスをむかえる。
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ここで木村九段は 2六金 と合駒を打った。
そこで 1六銀 と打たれて大逆転。
正解は 3六玉 とかわす手で、それならはっきり木村九段の勝ちだった。
1六銀にはまだしも 1四玉 だと思うが木村九段は 3六玉 と出て 3九飛 と打たれた。
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木村九段は 3七銀 と打ってしまったので 2六飛 と指されて投了。
以下指すとすれば 同玉 だが 2七金 までの三手詰め。
3八に銀または角の合駒は 同飛 と取られて無効。
他に 3七成桂、3七馬、3七金 の応手があり、いずれも詰まない。
3七成桂 は 2六飛 同玉 2七歩 3六玉 5九飛 で負け。
3七馬も 2六飛 同玉 3七桂 で負け。
3七金は 3三銀成。
負けにはかわりないが3手詰めで討ち取られることはなかった。
なにか錯覚があったのだろう。
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119手目 1六銀 に 1四玉 と逃げられたらどうするか?
例えば 3三銀不成 と攻めると 7九角 同玉 6八馬 同玉 6七銀 7九玉 7八金 でつまされてしまう。
後手玉に詰みはなく、2八飛 と逃げることになりそう。
簡単な勝ちではなく、すぐに終わるような将棋ではなかった。

劇的な逆転勝ちで本戦トーナメント進出を決めた羽生先生を応援したいと思います!

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