渡辺憲司先生が編者に名を連ねている「江戸川乱歩大事典」が勉誠出版から刊行された。
総勢70人の執筆者による880ページをこえる大著。
値段も12,000円と高い。
先生も編者の一人であるがほとんど人任せだったそうだ(笑)
1部人間乱歩(項目は、祖父との思い出、立教大学、池袋モンパルナスなど
2部社会(郊外、鉄道、猟奇殺人・・)
3部ミステリー(エドガー・アラン・ポー、岩田準一、浜尾四郎・・)
4部メディア(検閲、探偵趣味、代作・・)
乱歩とその同時代史事典といった感じ。
渡辺憲司先生と乱歩の縁は、先生が立教大学文学部長時代、大学に隣接した乱歩邸とその蔵書購入や江戸文芸関係の整理にかかわってから。
2004年東武デパートで『江戸川乱歩と大衆の20世紀展』が開催された。
先生が委員長を務め、乱歩の震源を大衆文化との相関性の中で如何に捉えるか、当時同僚であった藤井淑禎さんと論議を重ねたそうである。
本書の根幹に流れるのもその時の展示会で目論んだ新たな乱歩像創造の思い。
多義にわたる項目立てなど、従来の乱歩参考書籍とは一線を画す本となっている。
先生が「是非書店でお手に取っていただき、近所の図書館にでも発注依頼をしてほしいものだ。」とFBに書いていたので図書館に注文。
入手したのは良いが、なにしろ分量が膨大で、オレのようなリタイアしたじじいにしか読めないであろう(笑)
この本には、乱歩ゆかりの地があれこれと紹介されている。
さっそく昭和廿七年二月に東京作家クラブが開催されたという神保町の“はちまき”まで散歩して観に行ってきた。
所在地は、すずらん通りの丁度三省堂のむかい。
何度前を通ったかわからないくらい通過しているがこんな店があるのは知らなかった。
緊急事態宣言が出ているのに神保町の人出は多く、店の前には行列ができていた。
そのうち機会があれば中に入ってみよう。
他にも本の中に興味深いアイテムが満載だった。
ヒマにまかせて大衆文化史をめぐる散歩をしようと思っている。
江戸川乱歩大事典 - 落合教幸, 阪本博志, 藤井淑禎, 渡辺憲司, 落合教幸, 阪本博志, 藤井淑禎, 渡辺憲司
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