とんび
とんび@109シネマズ木場

制作年:2022
制作国:日本
日本公開:2022年4月8日
上映時間:2時間19分
配給:KADOKAWA イオンエンターテイメント
監督☆瀬々敬久
原作☆重松清
キャスト
市川安男☆阿部寛
市川旭☆北村匠海
海雲☆麿赤兒
市川美佐子☆麻生久美子
たえ子☆薬師丸ひろ子
照雲☆安田顕
幸恵☆大島優子
由美☆杏
広沢☆濱田岳
尾藤社長☆宇梶剛士
泰子☆木竜麻生
島野昭之☆田中哲司
編集長☆豊原功補
出版社守衛☆嶋田久作
【あらすじ】
昭和37年。瀬戸内海に面した備後市で運送業に就くヤス(阿部寛)は、妻・美佐子(麻生久美子)の妊娠に喜ぶ。幼いころに両親と離別したヤスにとって息子・アキラの誕生にこの上ない喜びを感じるが、美佐子が事故死してしまう。姉貴分のたえ子(薬師丸ひろ子)や幼なじみの照雲(安田顕)、和尚の海雲(麿赤兒)などに支えられながら、アキラを育てるヤス。ある日、誰もが口を閉ざしていた母の死の真相を知りたがる息子に、ヤスはあるうそをついてしまう。
【感想】
重松清による小説の映画化。
過去2回テレビドラマ化されているようだ。
NHK総合テレビで2012年1月7日(前編)と1月14日(後編)に放映。
TBSでも連続ドラマとして2013年1月13日から3月17日まで放送された。
いずれもまったく知らず観ていない。
小説も読んでいない。
まったくの白紙状態で観たことが前提の感想である(笑)
あらすじの通り、描かれている期間が長い。
昭和37年から始まり最後はさらっと安男の死まで。
映画の尺も長く2時間19分もある。
大きなエピソードがいくつか。
前半のポイントは美佐子の死。
雨で動物園行きが流れてぐずる旭。
仕事しに行くという安男に美佐子と旭はついていく。
そこで事故が起きるわけである。
この事故のシーンだけどいまいちだった。
もう少し迫真にせまる演出はできなかったのか?
テレビ版ではどうだったのだろう?
映画らしさを発揮できる数少ないシーンだったと思うのでやや残念。
物語は旭役の北村匠海のナレーションで進行。
時間が前後して描かれる。
かなりの時間が経過しているはずなのに、いつも出てくるのはおんなじ阿部寛(笑)
旭誕生の時はたぶん相当若いはず。
成人して婚約者を連れてくるころは50代であろう。
このあたりのメリハリはもう少しつけないと。
昭和63年とかテロップが流れないと、いったいいつなのか分からなくなる。
数年なら良いが数十年の時間経過があるのだから特殊メイクするなりなんなりして違いを出さないと(笑)
お話は飛躍的なところはないが、シングルファーザーの子育て奮闘記。
2度もテレビドラマ化され評判の良かった作品。
それなりのプラスαが求められて当然。
共感できるところもあるのに、映画らしい表現の部分で不満が残る。
終盤ちかく、旭が婚約者の由美を連れて里帰りするシーンは良かった。
安田顕さんが演じる照雲が安男の性質をよくつかんだ対応をとる。
観ながらこれは演技だろうと笑いながら観ていたが一方で涙腺も刺激された。
色々良いシーンもあるのに前述のような不満が残るのは残念。
総じて邦画は予算をけちって観客をバカにしがち。
長い期間を描く映画を創るのなら、それなりの覚悟をもって臨んで欲しい。
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