第35期竜王戦1組 ランキング戦決勝 永瀬拓矢王座 VS 佐藤天彦九段





昨日の竜王戦1組 ランキング戦決勝 永瀬拓矢王座 VS 佐藤天彦九段 も凄みがあった。
1位の賞金は470万で2位は116万。
その差は354万もある大きな勝負。
二転三転の終盤が見どころだが、中盤も凄い。
後手の佐藤天彦九段が86手目に5四角 と巨砲をすえて先手の玉頭にねらいを定めた。
受けが難しそうにみえる。
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以下の指し手
8二角 7四飛 5五歩
先手は5四角をどかしにかかる。
永瀬佐藤2.png

以下 7六歩 6六銀 6五歩 5七銀 8五歩 6八銀 7五桂 7六金 8六歩 8八歩 4六歩 5八銀 6三角
角取りを放置して攻めまくりようやく 6三角 と引き上げた。
角を取ったらつぶれるから受けたのだろうが凄まじい攻防である。
永瀬佐藤3.png

102手目 6三角 以下の指し手
5四歩 8七桂成 同歩 7六飛 7七歩 8七歩成 同玉 5六飛 5七香 9六金
永瀬佐藤4.png

112手目 9六金 の局面は先手玉は風前の灯火で後手玉は盤石。
後手がかなり勝ちやすそう。
先手が勝つとしたら攻めをかわして入玉くらいかなと思いながら観戦。
9六金 以下の指し手
同香 同角 9七玉 8三香 8五歩 同香 9九桂
永瀬佐藤5.png

この局面におけるAIの推奨手は 5七飛成。
同銀上 なら 7八角成 8七歩 8六歩 9八金 8七歩成 同桂 8六歩 9六玉 8三香 で寄り。
9六玉 と角を取られたら 4八龍 と金を取って勝ちということなんだろうが上部が開けていて指しにくい。
そんな手は指せないよと思ってみていたら案の定佐藤九段の指し手は 8六飛。
そのとたんAI評価値が先手有利に逆転してびっくり

8六飛 以下の指し手
9八金 7八角成 8七歩 同飛成 同桂 6八馬 8三飛
永瀬佐藤6.png

127手目のAI推奨手は 8四飛。
先手が 8三飛 と着手するとふたたび後手有利となる。
8三飛 以下の指し手
7四銀 8四飛成 6三金 5三歩成 8六歩 4三と 8七歩成 同金 同香成 同龍 4三金 2三歩 3二玉 4五香
7四銀 と打たれたのが痛い。
後手優勢から後手勝勢に形勢はかたむいた。
141手目 4五香 の局面は、はっきり後手の勝ち。
平凡に 8五桂 と王手すればよかった。
永瀬佐藤7.png

4五香 以下の指し手
7五桂 4三香成 同玉 7六龍 5四歩 4四歩 同銀 7一角成 8七金 9六玉 5八馬
永瀬佐藤8.png

5八馬 のところは 7八馬 なら勝ち。
8七金 を打たずに黙って 7八馬 がわかりやすかった。
このあと数手で敗勢に陥ったので、たぶん 5八馬 が敗着。

5八馬 以下の指し手
4四馬 同玉 2四飛 3四香 4五銀 5三玉
永瀬佐藤9.png

158手目 5三玉 の局面は後手玉に詰みがある。
詰みを逃れる逃げは 4三玉 しかなかった。
以下 3四銀 5三玉 4三銀成 の進行が予想される。
4三銀成 を 同玉 と取ると 4六龍 5二玉 5四飛 で詰んでしまう。
よって 4三銀成 は取れず 6二玉 または 6四玉 と逃げるほかない。
6二玉 は 5三金 と打たれて 7一玉 なら 6三金 で負け。
6四玉 は 8五香 が詰めろ逃れの詰めろになる。
難解な終盤で正解かどうかは不明。諸賢の研究を俟ちたいと思います。

5三玉 以下の詰手順は40手を越える。
一昨日の竜王戦1組 出場者決定戦 八代弥七段 VS 丸山忠久九段に続き凄みのある将棋。
良いもの魅せてもらいました。
ありがとうございます。
永瀬先生と佐藤天彦先生の本戦トーナメントでの健闘を祈念いたします。

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