本日放映されたNHK杯テレビ将棋トーナメントは面白かった。
棋士編入試験でも話題の里見香奈女流四冠が惜しくも逆転負け。
何度もチャンスがあったのに勝ちきれなかったのは残念。
ハイライトはやはり終盤。
128手目に今泉五段が 4二玉 と引いた。
この局面は先手の里見女流四冠に勝ちがありそうだ。
2三歩成 でも 6三角 でも勝ちそうにみえる。
ところがそんな手では勝てなかったのである。
里見女流四冠の指し手は 4四歩 だった。
これでは負けだ。
それは何故か?
先手玉に詰みがあるからである。
詰め手順は以下のとおり。
1七銀 同玉 2六金 同玉 3五銀 1七玉 2六銀打 2八玉 2七銀成 同玉 2六銀 同玉 2五歩 1七玉 2六金 1八玉 1七飛 同桂 2七金 2九玉 2八金 同玉 3七飛成 1八玉 2八龍 まで変化あるも詰み。
4四歩 ではなく 2三歩成 でも 1七銀 から上部に追って詰む。
4二玉は 2二角 以下長手順の後手玉への詰めろを逃れて先手玉に詰めろをかける、いわゆる詰めろ逃れの詰めろだったのだ。
3一飛の利きがあると詰んでしまう。
例えば 3四桂 5二玉 4二金 6二玉 3一金 などとして飛車を取り除くしかなかったのだろう。
それはまだ長い戦いになりそうだ。
4二玉 4四歩 以下は
4八飛 3八歩 同飛成 2八金打 3七飛成 と進行した。
3七飛成 のところは 1七銀 以下詰みだった。
詰みを逃して3七飛成 としたので再逆転。
4三歩成 同玉 4四歩 5二玉 3七桂 とすれば先手玉には詰みがなく里見女流四冠の勝ちだった。
序盤から中盤は里見女流四冠がだいぶ良かった。
金桂交換を果たして局面を全面制圧。
80手目の 6四歩 には 5六金 として 6三桂 を消しておけば良かったと思う。
3六金打 はちょっと手厚すぎたかもしれない。
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