第37期竜王戦七番勝負第一局 竜王戦プレミアム

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渋谷のセルリアンタワー能楽堂で指された第37期竜王戦七番勝負第一局広瀬章人八段VS藤井聡太竜王の竜王戦プレミアムに参戦した。
竜王戦プレミアムは竜王コース・金将コース・銀将コースがあり、オレが参戦したのは10月8日のみの銀将コース4万円である。
竜王コースは、前夜祭・一日目・二日目がセットになった7万5千円のコースで、ほとんどの人がこちらのコースだったようだ

集合時間と場所は10月8日(土)8時20分に渋谷のセルリアンタワー地下二階ホワイエ。
定刻の10分ほど前に到着すると、竜王コースは長蛇の列。
銀将コースに並んでいるのは10人もいない。
定刻8時20分に受付開始、並んでいたのはたった10人なのに作業が遅く能楽堂入場のための行列に並んだ時には全体の4分の3くらいの後方になってしまった。
すぐうしろに詰パラ表紙担当のGutenさんを発見。
場慣れしている彼の指導で一日を過ごすことにした(笑)

8時40分に能楽堂内に入場。
すでに良席は埋まってしまっていた。
対局者が入場してくる脇正面に座ることにした。
セルリアンタワー能楽堂の座席数は201席なので余裕は十分。
観客は100人ほどで、その観客の半分以上が女性である。
10月4日(火曜日)の王座戦 第4局にも参戦したGutenさんによると、(女性)客層が随分違うそうだ。
豊島将之九段のファンの方が藤井聡太竜王のファンより若いとのこと。
今日は本当に女性が多く、それも妙齢の女性がほとんど。
中には和服の女性もいて雰囲気を盛り上げていた。
まだ対局者の姿はないのに能楽堂の中は静寂をきわめる。
これだけ女性が多いのにおしゃべりする人がいないことに驚愕。
Gutenさんにそんな話をすると、対局者の邪魔になるからいつも対局場は静かである(何を言ってるの)とのことでした。

8時48分に挑戦者8時49分に竜王が入室。
8時51分ごろ駒がとりだされ、同8時54分に並べ終わって1日目の棋譜再現が始まった。
定刻の9時少し過ぎに立会人の島九段が封じ手を開封。
昨日はカメラマンが多くて観にくかったそうだが今日は少ない。
9時4分にはカメラマン退場。
能楽堂での観覧予定時間は9時20分までだったが、早めの撤収となった。
まずは車椅子の女性が退場し、みなさん対局者の邪魔にならないように静かに退場。
きわめてマナーが良かった。

9時40分から能楽堂と同じ地下一階朝霧でプレミアム解説会。
解説は佐藤康光会長で聞き手は貞升南女流二段。
一日目の初手からの解説を行った。
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20手目の 7三桂 に対し 3七桂と指すと、以下 6五桂 6八銀 8六歩 同歩 同飛 8七歩 7六飛 と横歩を取られる。
6九玉 と守ると 4四角 と打たれて困る。
したがって本譜 6八玉 となる。
同様に先手が 3七桂 と跳ねたら 4二玉 が多い。
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40手目の 4一飛 は幅の広い手。
おやつが3種類3つずつあったとして1種類全部食べるとのこりは2種類になるけど・・・と説明しかけて会長が取り消したので笑った。
3一玉 や 5二玉 もあるけど形を決めずにおいた方が幅広く対応できるの意と理解。
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41手目 1八香 の意味は 3一玉なら 1九飛 の雀刺しをねらう。
8一飛 と戻って後手二手損。
一手指した先手が得なのか?
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46手目 8六歩 には 同銀 が普通。
本譜は 同歩 だったが 同銀 なら 4五銀 同桂 4四銀 6三銀 同金 7二角 の時に 8六飛 と銀を取られる。
以下 6三角成 なら 7六飛、同歩 なら 6二金 と進行してどうか?
6二金 のあとは 8一角成 4三角 8二飛 6一銀 7一馬 5一玉 が研究手順で先手容易でない。
そこで 8六歩 には 同歩 8五歩 と進行。
8五歩 に 同歩 は 4五銀 同桂 8五飛 の十字飛車。
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52手目の 3一玉 で前例のない局面となり41分使って昼休憩にはいった。
再開後の 2五桂 では 8四歩 同飛 8七歩 も有り。
4四銀 のところは 8五桂 8六銀 5五角 は有力だった。
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60手目の封じ手は 4五同銀。
以下 6二銀不成 6四角 5三銀成 同角 6三角 と進行。
6三角に 7一飛 なら 8七玉 6六歩 5二角成 が予想されていた。
少し先手が指せるくらいかな。
ここ数手ではっきりすると思います。
ということで10時半ごろ佐藤会長の解説は終了で休憩にはいった。

10時50分に再開して登壇したのは佐々木大地七段と貞升南女流二段。
佐々木大地七段は解説というより、天童の人間将棋の話で笑わせる。
将棋の解説としては、1八香 は珍しい。
広瀬八段が誘導しているが竜王の指し手も早い。
2六歩型が増えているが、2六歩 で止めるといくことは、4四歩 と雁木にされた時の用意があるということ。
そのくらいで、会場の観客からの質問タイムとなる。

質問1♂ 封じ手は誰が保管するのですか?
⇒島九段だと思います

質問2♀ 料理の腕前は上がりましたか?
⇒さつま芋を5キロ買ったら多すぎてみりんとしょうゆ使って大学芋を作りました。
段ボールで届いたときは量が多くて絶望(会場(笑))
得意料理は?⇒チキン南蛮

質問3♂ 竜王戦5組優勝の賞金は?
⇒来年の襲位式のときにランキング優勝者は表彰されてメダルをもらいます。

質問4♂ 人間将棋では2四歩の交換があったことをうっかりしたのですか?
⇒気が付いたけどしかたない。しっかり咎められました。

質問5♂ 順位戦で勝てないのは何故?
⇒対戦相手の研究不足。師匠には棋士何年目?と言われる。
持ち時間が6時間と長いのがダメなのか?原因わからない。教えてほしい。
師匠のアドヴァイスは攻めるか守るか相手の棋風をみた方が良い。
深浦一門はなぜ藤井竜王に強い?
⇒何ででしょう?ふしぎでしかたない。
棋風としては受けが重厚。雁木の研究がはまったこともある。

質問6♀ 子弟トーナメントは賞金出ましたか?
⇒賞金はなかった気がする。
3戦目はなぜ竜王出ないんだろう?と思った。
リラックスして収録はなごやかでした。

質問7♂ AI研究を具体的に教えて
⇒序盤のわかれを3つ候補読ませて検討。丸暗記すればいいというものではない。
端歩の入った時とそうでない時の変化を調べて評価値の差が生まれる理由を理解する。
玉のさばきなど部分的な攻め方をパターン化する。
指した将棋を何度もならべて良いかたちを認識する。

司会からの質問 三段の優希氏との研究会は?
⇒一門研究会解散後はVS。
オンラインアドヴァイスは月2回やっている。
師匠は心構えなどメンタリティーの指導。
地方出身者の師匠の体験を伝えている。

貞升女流からの質問 師匠は?
⇒熱がある。将棋は合理的。
感謝の気持ちを持てと言われています。

なんて調子で11時45分終了。
昼食はセルリアンタワー39階のルナールで竜王戦ランチ。
そこそこ天気が良くめったに見られない富士山がみえた。

信州ソーモネのマリネ 柑橘のジュ アネットのヴィネグネット
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サフラン風味のお魚スープ 甲殻類で仕上げたクネル
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牛テンダーロインと西洋山葵とジュ
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フロマージュフルイ プレミアムメロン盛り合わせ
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デザートは対局者が頼んだものだそうだ。

8人のテーブルで女性が5人。
隣のテーブルは全員女性。
こちらのテーブルの女性たちは、旧知?と思うくらい普通におしゃべりしていた。
右隣りは男性だったけど、彼は誰とも話なんかせずデザート残して去っていった。
♂ももっとコミュニケーション能力高めないとダメだ(笑)
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会場を出ると封じ手の展示あり。
Gutenさんはその昔、羽生・森内名人戦イベントの即興オークションで谷川立会人の署名のある封じ手をウン万円で落札したことがあるそうだ。
画像を見せてもらって、すげーと思いました。
この封じ手はいくらの値がつくのだろう?なんていうのは下種の勘繰りじゃなくって何て言えばいいんだっけ(笑)

午後は13時20分からふたたび能楽堂での対局観戦。
今度は Guten さんにくっついて行って、正面2列目の良い席がとれた。
さすがはGuten さん(笑)
13時26分に藤井竜王と広瀬八段が相次いで入室。
13時31分に77手目 4五桂 が着手された。
そのまま藤井竜王は長考にはいり着手をみることなく退出。

午後は14時からボールルームで大盤解説会。
竜王戦プレミアム以外の解説会参加者が200名ほど加わった。
解説は佐々木大地七段で聞き手は飯野愛女流初段。
初手からの解説を行った。
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14時40分ごろ82手目の 3一金 の局面で一回目の次の一手が出題された。
候補手Aは 6四馬、Bが 7七桂 でCがその他。

正解はBの 7七桂。
投票はA 165 B 19 C 92 と報告されていたが実際にはもう少し多かったと思う。
当てた人全員が賞品当選。
21名のうち女性が18名だった。
札幌や愛知など遠方から来られている方が多くてびっくり。
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15時37分に驚愕の 7二飛 が指されて同47分にふたたび休憩に入った。

16時に再開されて登壇したのは立ち合いの島九段と副立ち合いの松尾八段。
84手目の 4五銀 に変え、2五銀 同歩 7二歩 6四馬 7三銀 4二馬 同金 4三銀 などの解説。
あとは伝説の4一銀の話。
島九段がああいう手は対戦相手のレベルが高くないと成立しないと松尾八段の実力を高く評価してもちあげていた。

7二飛 のあとわりと早く広瀬八段は同馬と指し、藤井竜王はすぐに 7四桂 を着手。
広瀬八段もすぐに 9七玉 の一手を指したところで盤面がストップ。
藤井竜王は読み切ったわけではなく仕方なく指した手順のようだ。
局面がすすまないのでここで2回目の次の一手。
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候補手Aは 8六銀、Bが 5六歩 でCがその他。

再度休憩にはいり、再開は17時少し前。
佐々木大地七段と飯野愛女流初段が再登場。
次の一手の正解はAの 8六銀。
投票はA 107 B 73 C 97 と報告されていた。
今回の賞品は27名で当選確率約25%。
当選者は男女半々だった。

その後は藤井竜王が怪しくせまるが広瀬八段がきっちりと勝ち切った。
18時3分に終局して両対局者がボールルームに登壇。
広瀬八段とは指導対局で将棋を指してツーショット写真を撮ったことがあるが藤井聡太五冠を生で見るのは初めて。
冥途の土産が出来満足して帰宅した。

それにしてもイベントの参加者は半分以上が女性で隔世の感がある。
たった一人のヒーロー革命児の登場でここまで変わる。
日本のビジネス界にも若き革命児の輩出が待たれる。
ブレーキばかり踏み込む年寄りは退場もしくは隠居❗️一緒か(笑)
将棋のように何の言い訳も出来ないゲーム性の導入が必要。
大山名人のような人は稀有にしてまずいないと銘記すべき。
などと将棋とはまったく関係のない感想をあらためて思った。

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