
制作年:2022
制作国:日本
日本公開:2022年11月11日
上映時間:2時間19分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
監督☆廣木隆一
脚本☆荒井晴彦
原作☆井上荒野
キャスト
長内みはる☆寺島しのぶ
白木篤郎☆豊川悦司
白木笙子☆広末涼子
小桧山真二☆高良健吾
秦☆村上淳
坂口初子☆蓮佛美沙子
矢沢祥一郎☆佐野岳
新城☆宇野祥平
白木サカ☆丘みつ子
【あらすじ】
人気作家・長内みはる(寺島しのぶ)は、講演旅行で知り合った作家・白木篤郎(豊川悦司)と男女の仲になる。一方、篤郎の妻・笙子(広末涼子)は夫の奔放な女性関係に気付きながらも、夫婦として穏やかな生活を続けていた。しかしみはるにとって、篤郎との関係は「書くこと」を通じてつながる、かけがえのないものとなっていく。
【感想】
井上光晴の娘の井上荒野が瀬戸内寂聴さんに取材して書いた小説「あちらにいる鬼」の映画化。
寂聴さんも映画を楽しみしていたとのこと。
映画の完成を待たずに逝去されたのは残念。
彼女の感想をききたかった。
映画の中心はやはり井上光晴である。
昭和時代にはこんな破天荒な男が結構いたのだろう。
今でもいるとは思うが現代では難しいだろう。
すぐに見つかって滅茶苦茶にたたかれる(笑)
また、女性サイドの変化も大きく、笙子のような女性もいなくなっているはず。
こんな夫の元にはとどまらず、すぐに去っていくはずだ(笑)
井上光晴はすごい。
彼のこどもを2回も堕胎した女性が自殺をはかり、入院している病院に笙子が見舞に行く。
その後彼女は本当に自殺するようだが、その妹とも情交をむすぶ。
井上担当の編集者が、「井上先生のすごいところは」と言ってそんな話を語る。
病気である(笑)
そんな彼との7年にも及ぶ不倫関係を清算するため寂聴さんは出家する。
映画で描かれているのは徳島でのふたりの出会いから出家までがほとんど。
あとは井上の最期までスキップする。
映画のみどころを二つ上げるとすればひとつは寂聴さんの剃髪シーン。
寺島しのぶさんは本当に自分の髪を剃った。
これ、撮り直しはきかないし大変だったろうと思う。
彼女の表情の演技など入魂と云って差し支えないだろう。
もうひとつは、井上光晴のファンが自宅に押し掛けてくるシーン。
光晴が適当に言ったことを信じてトランク持ってやってきてしまう。
このシーンにおける豊川さんのリアクションおもしろい。
それよりも、修羅場とも云える場面を見送る広末涼子の演技が秀逸。
ストーリーは井上光晴をめぐる三角関係の実話。
ほぼ実話なのに驚きのある映画に仕立て上げられていて感心。
観て損はない。
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