ビー・ジーズ 栄光の軌跡@ヒューマントラストシネマ渋谷
制作年:2020
制作国:アメリカ
英題:THE BEE GEES: HOW CAN YOU MEND A BROKEN HEART
日本公開:2022年11月25日
上映時間:1時間51分
配給:キノフィルムズ
監督☆フランク・マーシャル
キャスト
バリー・ギブ
ロビン・ギブ
モーリス・ギブ
アンディ・ギブ
エリック・クラプトン
ノエル・ギャラガー
ニック・ジョナス
マーク・ロンソン
クリス・マーティン
ジャスティン・ティンバーレイク
ピーター・ブラウン
ヴィンス・メロニー
ミカエル・ライリー
ルル
アラン・ケンダル
イヴォンヌ・ギブ
ビル・オークス
デニス・バイロン
ブルー・ウィーバー
【あらすじ】
兄のバリーと双子の弟ロビン、モーリスのギブ3兄弟を中心に結成され、長きにわたって活動してきた「ビー・ジーズ」。時代が移り変わっても、「恋のナイト・フィーヴァー」「愛はきらめきの中に」など数々の名曲を世に届け続けてきた。
【感想】
リアルタイムでビー・ジーズを体験したファンなら涙無くして観られない。
サタデーナイトフィーバーのようにディスコで朝帰り。
ハートブレイクのあとに聴くビー・ジーズの曲。
「偽りの愛」や「愛はきらめきの中に」しみた。
そんな世代なら映画で流される名曲の数々だけで十分だ。
オレが最初にビー・ジーズを認識したのは70年代初頭にテレビで観た「傷心の日々」。
ロビンが耳に手をあてながら歌っている姿だけがアタマに残った。
だからビー・ジーズはロビン中心のグループなのだと思っていた。
いまのようにネットもなければYoutubeも無い。
情報は非常に限られていた。
サタデーナイトフィーバーがヒットして、初めてバリーが中心人物なのだと知った(笑)
ビー・ジーズは幼少時からオーストラリアでキャリアをスタートしている。
ボブ・ディランの「ノー・ディレクション・ホーム」ではデビュー前の映像が残っていてびっくりしたが、この映画のスタートは1967年イギリスでのデビューからだ。
ロバート・スティグウッドに見いだされてレコーディング開始。
スタジオが停電にみまわれ、その出来事に触発されて書いたのが「ニューヨーク炭鉱の悲劇」
いきなりヒットしてスターダムにのし上がる。
彼らはR&Bに傾倒していてオーティス・レディングにむけて書いたのが「ラヴ・サムバディ」
オーティスが亡くなったのは1967年12月10日。
残念ながらオーティスによるレコーディングはかなわなかった。
曲にまつわる数々のエピソード。
非常に興味深かった。
オーティスの「ドッグ・オブ・ベイ」くらいみんなに聴いて欲しいものだ。
なんてことを書いたが、こういう話に興味ない人がこの映画を観るのは無意味だ。
これはFilmarks とJ-Waveの試写会だったがほとんどの観客にとって無意味だったろう(笑)
アーティストの映画でお決まりの酒・ドラッグ・仲間割れの話は当然あった。
ビー・ジーズの場合は、バリーとロビンの主導権あらそいをモーリスが潤滑剤となって乗り切った。
血のつながった兄弟のグループだから決定的な決裂にはならなくて幸い。
マサチューセッツのあとは2年の空白が生じる。
ヒット曲も1971年の「傷心の日々」で途絶えて70年代前半は影が薄かった。
1975年に「Jive Talkin‘」で復活するわけだがこのエピソードが面白かった。
登場したのはエリック・クラプトン。
彼の1974年のナンバー1アルバム「461 Ocean Boulevard」はマイアミでレコーディングされた。
クラプトンがビー・ジーズにマイアミでのレコーディングをすすめたのだそうだ。
「環境を変えてみたらどうだ」
車のかちゃかちゃいう音で「Jive Talkin‘」が産まれ復活の大ヒットとなる。
実に興味深い話。
クラプトンはビー・ジーズにそういう提案をしたのが自分の音楽業界における最大の功績だとまで言っていた。
その後のサタデーナイトフィーバーにいたるストーリーは多くの人が知っているだろう。
あまりにもディスコがヒットしすぎた。
そのため当然のようにアンチが発生。
「はやっているものをけなしたり批判したりするのがクールと思う連中が必ず発生する」
それが、Disco Sucks というディスコのレコードを破壊するイベントにつながる。
そんな話は全然知らなくて、井の中の蛙状態を再認識。
そこで破壊されたレコードが、スティービーのKey Of Life やマーヴィンの What’s Goin’ On アイザック・ヘイズの Black Moses。
どこがディスコ?R&Bアルバムだろ!と思った。
同じ兄弟グループということで、オアシスのノエル、ジョナス・ブラザースのニックも出演。
興味深い発言多数。
コールドプレイのクリス・マーティンも面白いことを言っていた。
日本人も、もう少し広く世界のエンタメを見渡した方が良い。
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