詰将棋雑談/中山芳樹氏①


詰将棋パラダイス2022年11月号(通巻800号)における最大の話題作は大15中山芳樹氏作であろう。
大15 入選21回 南あわじ市 中山芳樹氏
それ.png
難解で鳴らす氏の作品が発表されるのは2017年11月号以来5年ぶり。
前回の作品に勝るとも劣らない難解作。
結果発表は来年の2月号だから、それまではこの作品について具体的なことは語れない。
氏の作品で解いたことがあるのはたぶんまだ2作。
過去の作品を紐解いて気が付いたことを書いておきたい。

1994年からの詰パラをざっとチェックして中山氏の作品を探した。
発見できたのは2008年4月号における入選2回の作品。
新人コンクール③ 入選2回 南あわじ市 中山芳樹氏
中山入選2ー1.png
この作品の初手は 2三桂 しかない。
のちの作品のように初手から迷わされることはない。
2三桂 を同馬と取ると 2一飛 と打って簡単に詰む。
2一玉 も 3一桂成 で簡単。
したがって 2手目は 2二玉 と逃げるしかない。
以下 3二飛 1三玉 1二飛成 とすすむ。
ここで 2四玉 と上に逃げられた時の変化が難しい。
中山入選2ー2.png
2四玉 には 1三角 と打ち、2五玉 に 3七桂 と打って詰む。
3七桂 でなく 3五角成 と角を取っても詰む。
上部に逃がすようで指しにくいがそこまで難解な変化ではない。
二通りの詰ませ方があることでこれは変化だなとわかる。

したがって 1二飛成 は 同玉 と取るのが作意となる。
以下は 1一桂成 同玉 3三角 2二桂 同角成 同玉 1四桂 1一玉 2二銀 1二玉 2四桂 同角 2一銀不成 1一玉 2二桂成 同玉 3二龍 1三玉 1二龍 まで25手詰
ときれいな清涼詰の詰上がりになる。

氏の作品の特徴をオレなりにまとめると
① 初手のハードル
② 難解な変化群
③ きれいな詰上がり
ということになるのだが、この作品は①以外はあてはまっている。

なお余談だが、詰パラの正解発表手順では、10手目が 2二桂合 と表記されている。
ツイッター上で合駒の表記が話題になっていたが何のことだかよく分からなかった。
オレは解答する際に合と書いたことはないし、正解手順が合と表記されているのに気がついていなかった(笑)

本作の解答者は38名。
誤 6 無 10 A 16 B 5 C 1 の平均2.68 で新人コンクール4作の首位をかざった。
短評は6手目(1三玉)の変化にふれたものが大半。
解説の柴田さんは6手目の変化が超難解と記されているが後の問題にくらべればなんということはない(笑)

To be continued 

中山芳樹氏の初入選作ご存じの方がおられたらコメントをお願いします

この記事へのコメント

通りすがり
2022年12月15日 18:39
中山芳樹氏の初入選は、パラ2007.5の新人コンクールのようです。
まっつぁんこ
2022年12月15日 23:05
ありがとうございます❗️

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