詰将棋雑談／中山芳樹氏④

次の入選は2009年1月号
デパート③　入選6回　南あわじ市　中山芳樹氏

入選２回目、3回目（正しくは４回）の作品と攻方43龍42歩玉方35角の配置は同じ。
初手は５通りあるが １三歩 以外は詰みそうにない。
１一桂成 も目に付くが同玉で ３三角 には ２二歩 と合されてダメそう。
よって初手は １三歩 とすぐに決まる。
同角 は １一桂成 同玉 １三龍 ２一玉 ４三角 ３二銀 １二角 ３一玉 ３二角成 同玉 ４三銀 ３一玉 ３三龍 まで。
２二玉 は ３一角 ２一玉 ３三桂 まで。
２一玉 は １一桂成 同玉 ３三角 ２一玉 １二歩成 同玉 ３二龍 １三玉 ２二龍 まで。
１三歩 には 同玉 とすすむ。

３手目は ２五桂 しかない。
１二玉 は ３二龍、２二玉 は ３一角、２四玉 は ３三龍 で簡単に詰むので 同銀。
以下 １五飛 と銀を取って合い駒が問題となる。

歩・香・桂の２五に利かない合駒は ２二銀 同玉 ３一角 ２一玉 １一桂成 同玉 ２二角成 同玉 ２五飛 と銀を取って詰む。
１四の合駒は金または銀と決まる。
金合は他の合と同様にすすみ １一桂成 同玉 なら １四飛 と金を取って詰み。
よって合駒は銀が作意と推定できる。
以下 ２二銀 同玉 ３一角 ２一玉 １一桂成 ３一玉 ４一歩成 ２二玉 ２五飛 と進行する。

１四の合駒が金なら ２五飛 は 同金 と取る他なく詰んでしまうが銀の場合は２三に合駒ができる。
歩・香・銀・金 と前に利く駒の場合は ２一成桂 １三玉 ２二銀 １二玉 ２三飛成 同銀 1三歩（又は香・銀） 同角 １一銀成 で詰み。（金なら１一金と打って詰み）
よって２三の合駒は桂または角となる。
作意の合駒は角合。
２五飛 ２三角 ２一成桂 １三玉 ２二銀 １二玉 1一銀成 １三玉 １二成銀 同玉 ３二龍 同角 ２二飛成 まで27手詰

２三の合駒が桂の場合は ３二龍 １三玉 ２二龍 まで同手数で詰む。
担当の岡村さんは「合駒非限定とあっては作品価値への影響は避けられず、痛い見落としだった。申し訳ない。」
たしかにおっしゃる通りだが、見落としたおかげで作品が発表されて良かったのではないか(笑)デパートだし。

本作の解答者は34名で無解４正解30。
これも氏の作品としては画期的に易しい。
デパートなので評価点なしなのが残念。

To be continued　⑤