続いて次も難解作。
入選6回に戻ってしまう(笑)正しくは8回のはず。
2009年5月号
大14 入選6回 南あわじ市 中山芳樹氏
8月号の結果稿も入選6回になっていて笑える。
持ち駒に香があるのは前作と同じ。
氏の作品では香を打って合駒発生が頻繁に起きる。
本作では2本の香のうち一本は歩でも同じ。
なぜなら初手は1二香しかないから。
歩であれば当然1二歩と打つところだが香だと離して打つことを少し考える。
この作品では、離して打つと1三歩と打たれて全然ダメ。
2三桂打ちは1二玉で詰まない。
1二銀打ちも同馬で詰まない。
だからすぐに初手は1二香と決まる。
1二香 に 同玉 は 1四香 1三桂 2四桂 2一玉 4三角成 3二歩 1二銀 3一玉 3二桂成 同馬 2二銀 同玉 2三銀打 3一玉 3二銀成 同銀 2三桂不成 2二玉 3一角 1二玉 1三角成 2一玉 3一馬 で詰む。
よって2手目は 同馬 で3手目は 2三桂打 しか王手がない。
2三桂打 に 2二玉 と逃げると 3一銀 3二玉 3八龍 同桂成 6二飛 5二歩 4三角成 同玉 6三飛成 5三角 5四銀 3二玉 3四香 3三桂 同香成 同玉 5五角 4四飛 4五桂 3二玉 3三銀 2一玉 2二銀上成 同馬 同銀成 同玉 4四角 1三玉 1四歩 同玉 2五角 1三玉 1四飛 まで
長手順で変化多岐にわたるが色々な詰め方があり作意でないはないことがわかる。
よって 2三桂打 同馬 同桂不成 と進行する。
2二玉 と逃げると 3一角 2三玉 1四銀 3二玉 3八龍 同桂成 3四香 3三歩 1二飛 3一玉 4二銀 同銀 3二銀 で詰む。
よって 1二玉 と逃げる。
ここで香打ちは 1三歩 で詰まない。
1三銀 は 同玉 なら詰むが 同桂 と応じられて詰まない。
他に王手はなく 1一桂成 同玉 と桂を成り捨てることになる。
8手を費やし、持ち駒の桂と香および1五桂を消費して初形から2二馬が消えた。
攻め駒が遠く、これで詰むのか?という感じ。
とりあえず 2二銀 同玉 2四香 と攻めるくらいしか思いつかない局面である。
2二銀 に 1二玉 と逃げる変化も一筋縄ではいかない。
3四角打 2三桂 1四香 1三歩 同香成 同桂 同銀成 同玉 1四歩 2四玉 3三銀 同玉 4三角成 2二玉 1三銀 3一玉 3八龍 3二歩 5三馬 4二銀 3二龍 同玉 2二飛 3三玉 4二飛成 まで
2四香 に対する受けがまた複雑。
① 1一玉・1二玉
2二銀 1二玉 2三銀 /2三銀 1三玉 1四銀打 2四玉 1五角 まで
② 3一玉
6四角 4二玉 3八龍 4一玉 3二龍 5二玉 5三飛 6一玉 6二銀 7二玉 7三飛成 8一玉 8二龍 まで
③ 3二玉
3八龍 4二玉 7二飛 5三玉 7三飛成 5四玉 4三角成 5五玉 4四角 4五玉 3六銀 5六玉 4七龍 まで
④ 1三玉
1四銀 2四玉 2五金 3三玉 3四金 4二玉 4三金 5一玉 8四角 6一玉 6九龍 7二玉 6二龍 8三玉 7三龍 9四玉 9五銀 8五玉 7五龍 9六玉 8六龍 まで
⑤ 2三桂
同香成 同玉 3五桂 同飛成 3四角打 2二玉 2三銀 3三玉 4三角成 2三玉 3四角 1三玉 1四銀 同玉 1九龍 2四玉 1五金 同龍 同龍 同玉 1六歩 1四玉 1五飛 2四玉 2五飛 1三玉 2三飛成 まで
⑥ 3三玉
3八龍 同桂成 5五角 4二玉 4三角成 同玉 4四飛 5二玉 5三歩 6一玉 4一飛成 7二玉 7三銀 8三玉 8一龍 7四玉 6四銀成 7五玉 7二龍 8四玉 6六角 9五玉 7五龍 9六玉 8五銀 9七玉 8六銀 8七玉 7六龍 9八玉 7八龍 まで
※ 平井さんの解説では 3八龍 同桂成 5五角 4二玉 4三角成 同玉 4四飛 5二玉 5三歩 6一玉 4一飛成 7二玉 7三銀 8三玉 8一龍 以下43手と軽く書かれているがこの変化が大問題。
⑦ 2三歩
残った 2三歩 が作意と推定できる。
ここまでたどり着くのが大変だが、あとは割と簡単。
2三歩 以下は 同香成 同玉 3四銀 3二玉 4三銀成 2二玉 3三角
1二玉 1三歩 同玉 2四銀 1二玉 1三歩 同桂 2三銀成 同玉 3四角
同玉 4四角成 2三玉 3三成銀 1四玉 1九龍 1八歩 同龍 同飛成 1五歩 同龍 同金 同玉 1六飛
同玉 2六馬 まで45手詰
最後に鮮やかな捨て駒 1六飛 が出てきれいに詰む。
1九龍 に対する合駒が1八香も可で非限定となっている。
がそれはたいした問題ではない。
そこまでたどり着けば非限定なのは分かるから。
それより問題なのは、※で記載した 2四香 に 3三玉 と逃げた時の変化。
43手で詰ませる順を発見するのが困難だ(笑)
色々な詰ませ方があるので変化だろうと推定はできるのだが。
こういう変化があると解答者は評価を下げると思うのである。
本作の解答者は45名で誤解10 無解23 A7 B4 C0 無評価1平均2.63。
前作とくらべるとやや易しく正解者はふたけた。
評点は低めである。
馬屋原氏「何時間もかけて解けた時は感動したが、冷静にみると好手なし。」
須川氏「難しいが印象に残る手もない。評価も難しい。」
担当平井氏「超難解作であることは確かですが、明確なテーマに欠けていることも認めざるを得ないようです。」
みなさん厳しい😆
野口氏「変化と紛れ百変の難解作。22銀から33角の発見がキーだった。収束で19龍の好手も入りスッキリとまとめて完成度は高い。」
の方がオレの感覚には近いかな(笑)
よくさばけて詰上がりがきれいなのは従来作と共通しています。
To be continued ⑦
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