次も難しい作品だけど中山氏作としては箸休め。
2009年8月号
短6 入選9回 南あわじ市 中山芳樹氏
とりあえず 1二歩 と歩を打つしかない局面。
同玉の変化が難しい。
2四桂 と打って
① 同角
2一銀 同玉 2四飛 2三歩 2二歩 1一玉 1四飛 1二銀 2一歩成 同玉 2二銀 同玉 3三角 2一玉 1二飛成 同玉 1三歩 同玉 2二銀 1四龍 まで
② 2三玉
3三飛成 1四玉 2五銀 同玉 3五龍引 1四玉 1五歩 2三玉 3三龍 まで
1二歩 を 同玉 と取ると手数は長くかかるが詰むことが分かった。
よって 1二歩 には 2一玉 と寄ることになる。
この局面で次の一手が難しい。
正解は 3一飛成。
初手から 3一飛成 では 同角 と取られて 1二歩 は 同玉 と取られて上が抜けるので詰まない。
1二歩 が入ったこの局面で時間差で 3一飛成 と行くのは他に手がないとは云え想到するのにはハードルがある。
3一飛成 に 同玉 は 3三龍 2一玉 3二銀 同角 1一歩成 同玉 1三龍 1二歩 2二銀 まで。
よって 同角 2二歩 とすすむ。
① 同角
1三桂 同角 4一龍 2二玉 3三歩 4二龍 2三玉 3三龍 1四玉 3四龍 1五玉 2六銀 1六玉 1七銀打 2七玉 3七龍 1八玉 2八龍 まで(25手)
② 1二玉
1三歩 1一玉 2一歩成 同玉 1二銀 2二玉 2三銀打 同角 同銀成 同玉 3四角 1四玉 2六桂 2四玉 4三角成 1三玉 1四龍 2二玉 3四桂 まで(25手)
③ 同玉 が作意で以下
1四桂 1二玉 1三歩 同角 2一銀 同玉 4一龍 3一歩 3二銀 1一玉 1二歩 同玉 3四角 2二桂成 同角 3一龍 同角 1二歩 2二玉 まで27手詰
2枚目の龍も3一龍と叩き切って詰上がる。
3四角は以遠ならOKなのも(しかたないけど)少し気になる。
本作の解答者は53名で誤解5無解18 A19 B9 C1平均2.62。
須川氏「2手目同玉の変化も一筋縄ではいかない。くたびれた」
小林理氏「泡のように浮かんでは消える変化の大群。作意だけ見ていてはこのすごさは分からない。とにかくすごいの一言。疲れました」
柿久桂古氏「準飛角図式で見事な攻防、楽しめました」
美点もあると思うが評点は低めだった。
To be continued ⑧
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