
制作年:2021
制作国:アメリカ
原題:MASS
日本公開:2023年2月10日
上映時間:1時間51分
配給:トランスフォーマー
監督・脚本・プロデューサー☆フラン・クランツ
キャスト
リチャード☆リード・バーニー
リンダ☆アン・ダウド
ジェイ☆ジェイソン・アイザックス
ゲイル☆マーサ・プリンプトン
ケンドラ☆ミッシェル・N・カーター
ジュディ☆ブリーダ・ウール
アンソニー☆ケージェン・オブライト
【あらすじ】
アメリカのとある高校で生徒による銃乱射事件が発生し、多数の同級生が亡くなり、実行犯の少年も校内で自ら命を絶つ。6年後、事件で息子を殺されたペリー夫妻(ジェイソン・アイザックス、マーサ・プリンプトン)はいまだにその死を受け入れられず、事件の背景に何があったのか知りたいという思いを募らせていた。あるとき二人はセラピストの勧めで、事件を起こした加害者の両親と対面することになる。
【感想】
銃撃事件の被害者と加害者の両親4人が教会の一室に集まって会話する密室劇。
後説に登壇した坂上香監督によると、修復的司法という手法がアメリカ含む海外では行われているとのこと。
この映画では教会が舞台となっているが、教会だけでなく色々な場で行われている。
映画の都合上ケンドラは会合に参加せず当事者4人だけになっているが通常はファシリテイターが参加。
それはそうだろう。
当事者だけにしたら何が勃発するか分からない。
坂上監督も日本で修復的司法にトライしていて、うまく行きかけると何かしらの反対で潰されるらしい。
銃撃事件が起きた時に「教師も銃の扱い方の訓練をうけた方が良い」と言ったトランプに代表される、目には目をの報復主義とは対極にある手法だ。
徒に報復を求めても過去は変えられず本質的な解決からはかえって遠ざかる。
とは言え実際に当事者になってしまったら、そういう感情から抜け出すのは並大抵のことではあるまい。
対話により赦しにまでは至らなくとも少しでも前を向けるようになればやる価値はある。
日本では、被害者・加害者双方ともにサポートが乏しい。
加害者家族は自殺など悲惨な結末を迎えることが多い。
自助に頼りすぎず、公助・共助の仕組みを強化することが必要だろう。
アメリカの場合は、まずは銃規制の強化はただちに行うべき。
アメリカが日本と同様の銃規制下にあれば、ジョン・レノンはまだアルバムを発表していたかもしれない。
色々なことを考えされ、問題提起のある良い映画だ。
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