詰将棋雑談/中山芳樹氏⑭

次の出題も大学。
2014年8月号
大4入選17回 南あわじ市 中山芳樹氏
中山入選17ー1.png

本作は中山氏作としては易しい部類である😄
初手 2二角成 とすると 2四玉 と上部に逃げられ 5八馬 の利きが強力で詰まない。
1四に金か銀を打って強力な馬を消していくほかない。
第一感はやはり 1四銀打 。
金と銀があれば銀から考えるのが普通である。
以下作意同様 同馬 同銀成 同玉 9四龍 の進行が予想される。
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金以外の合駒は 2三角 で簡単に詰むので合駒は 2四金。
同龍 同玉 9四飛 と進行する。
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9四飛 に対して 3五玉・2五玉 と逃げる手や3四に合駒する手は詰む。
ところが 4四歩 同飛 3四歩 と中合で 3三角成を消して受けられてしまう。
以下 同飛 同玉 4五角 2五玉 3六金 1四玉 と逃げられ、銀が無いため詰まない。
中山氏作ではこのような、ほとんどの変化が詰むが唯一詰まない筋がある、というケースが頻出するのが特徴のひとつ。
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1四銀打 からばらす手が詰まないことが分かったので1四金を検討する。
以下上記変化と同様に進行する。
1四金 同馬 同銀成 同玉 9四龍
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① 2五玉
1四角 3五玉 4四龍 2六玉 2四龍 3七玉 4八銀 4六玉 5七銀 3七玉 5五角 3八玉 2八龍 4九玉 4八龍 まで
② 2四歩
2三銀(同玉 は 4一角 で詰み)2五玉 1四角(3四龍 でも詰む)3五玉 3四龍 2六玉 3六龍 1七玉 3九角 2八香 3七龍 2七香 2八角 1八玉 1九香 2九玉 3九龍 まで
③ 2四香
2三銀 2五玉 1四角3五玉 3四龍 2六玉 2四龍 3七玉 3五龍 2七玉 3六龍 1八玉 8八飛 7八香 1九歩 同玉 8九飛 7九金 同飛 同香成 2九金 同玉 3九龍 1八玉 3六角 1七玉 4四角 2六歩 1八香 まで
④ 2四桂
2三銀 2五玉 1四角3五玉 4四龍 2六玉2四龍 3七玉 4九桂 4六玉 2六龍 4五玉 9五飛(5七桂でも詰む)5四玉 5六龍 6四玉 6五龍 5三玉 9三飛成 5二玉 6三龍寄 5一玉 6二龍 4一玉 3二銀成 まで
⑤ 2四銀
2三銀 2五玉 1四角 3五玉 4四龍 2六玉 2四龍 3七玉 4八銀 4六玉 5七銀 3七玉 5五角 3八玉 2八龍 4九玉 4八龍 まで
⑥ 2四金(作意)
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2四金 には 同龍 とするほかない。
以下 同玉9四飛 とすすむ。
中山入選17ー4.png

① 3四歩(その他合駒も同じ)は 同飛 で作意に短絡して2手短く詰む
② 3五玉
5三角 4六玉 6四角成 4七玉 4八金 3六玉 3七馬 4五玉 5五馬 3五玉 5七角 2六玉 3七馬 1七玉 3五角 1八玉 1九銀 2九玉 2八馬 まで
③ 2五玉
1四角 2六玉 2四飛 3七玉 4八銀 4六玉 4七金 4五玉 4四飛 3五玉 3六金 まで
④ 4四歩(作意)
中山入選17ー5.png

4四歩 と中合するのがうまい受けで作意。
以下 同飛 3五玉 3四飛 同玉 とすすみ、単に 3四歩 と合駒した時にくらべて2手稼ぐことができる。
以下は収束。
4五角 4三玉 3三角成 同玉 3四金 3二玉 5四角 2二玉 3二角成 同玉 4三香成 2一玉 3二銀 1一玉 1二歩 同玉 2三金 1一玉 2一銀成 同玉 3二成香 1一玉 2二金 まで37手詰
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4四歩 でなく 4四桂 と中合した場合は 4五角 4三玉 に 3五桂 と打って短手数で詰む。
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軽い受け(4四歩の中合)が飛び出し、収束では2枚の角を捌き捨てて清涼詰。
氏の作品としてはやさしいが過不足ない好作だと思う。

作者「狙い・金先金銀・清涼詰」

本作の解答者は27名で誤解7無解4 A10 B4 C1 無1平均2.60
門田氏「単独逃避行ですね」
川島氏「金か銀か初手を悩み、5手目94龍に金合か桂合かで悩む。桂合は下段に追って49桂の早詰をやっと発見」
水野氏「これは難解でした。45角が入ってようやくいけそうな気がしました」

To be continued ⑮

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