NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』

NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』@東京芸術劇場プレイハウス
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6月21日(水)14時からの公演で観劇。
人気公演で今回もチケットがなかなか取れなかった。
ぴあのプレミアム会員先行抽選は3回も落選。
平日昼間を選択したのに全然ダメ。
ぴあの会員はやめようと思う(笑)
eプラスの一般販売が奇跡的につながって買うことができた。

NODA・MAPは2015年の第19回公演『エッグ』から毎回観ている。
今回も豪華キャストに惹かれて観に行ってきた。
2019年の『Q』は今ひとつだった(記事書かなかった😄)が前回の『フェイクスピア』は良かった。
NODA MAP は出来、不出来の差が結構ある。
今回の公演は当たり🎯だった。

野田秀樹の演劇スタートは劇団夢の遊眠社だと思う。
駒場寮に天使と流れ星のようなポスターが貼りだされていた。
当時はまったく興味がなくスルーしていた。
50年近く前のポスターの記憶だけが残る。
まったく演劇には興味なく、30年以上が経過。
50年近く野田さんはまだ創作に(子作りに)励んでいる😄
娘の要求で劇団四季や宝塚の舞台を観劇し始めて今にいたっている。

ストレートプレイで後述するようにやや難しい故か観客の年齢層は高くやや女性が多いかな、くらい。
高橋一生目当ての観客もいたのではないか?

【公演情報】
東京公演 東京芸術劇場プレイハウス 2023年6月17日(土)~7月30日(日)
大阪公演 新歌舞伎座 2023年8月3日(木)~8月13日(日)
博多公演 博多座 2023年8月17日(木)~8月27日(日)

【キャスト】
脱兎☆高橋一生 
アリスの母☆松たか子 
アリス☆多部未華子
元女優ヤネフスマヤ☆秋山菜津子 
第一の作家?☆大倉孝二 
シャイロック・ホームズ☆大鶴佐助
東急半ズボン教官/第三の作家?☆山崎一
第二の作家?☆野田秀樹

【公式サイトの紹介文】

“潰れかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる
“劇中劇”のようなもの
2023年、野田秀樹率いるNODA・MAPが遂に2年振りの書き下ろし最新作を上演する。
新作のタイトルは、『兎、波を走る』。
何やら新鮮で、心をざわつかせるような、不思議な響きのタイトルを野田秀樹が打ち出して来た。実はこのタイトル、野田自身、とても気に入っているらしい。このタイトルから、日本古来のことわざや、「因幡の白兎」を思い出す方もいるかもしれない。

果たして、本作の“兎”とは、いったい何を表しているのか?
そして野田は、どんな企みを『兎、波を走る』に仕掛けてくるのか?

野田曰く、物語の設定は、「“潰れかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる “劇中劇(ショー)”のようなもの」だという。そして、そこに“アリス”が登場するというのだ。
それはウサギ(兎)を追いかけて不思議の国へと迷い込んだ、あのアリスなのか? しかも、その上、或る“世界的な稀代の劇作家”まがいの人間までもが2人絡んでくるらしい。“世界的な稀代の劇作家”と言えば、野田が自ら強烈なインパクトのフェイクスピア/シェイクスピアを演じた『フェイクスピア』(21年)も記憶に新しいが、本作ではどんな劇作家がどのような役割を担うのか?
古今東西のファクターが複雑に絡み合い、謎が謎を呼ぶ様相を呈する物語の全貌とは……!?

なおも混迷が続く時代のなか、現代社会を見つめる鋭い視座と圧倒的な語彙から生まれる破格のストーリーテリングによって、観客に生の演劇の悦楽と予測不可能な衝撃を届け続ける野田作品。
物語が進むにつれ、表層とは違う世界が姿を現し、目まぐるしく展開する、まるで遊園地のジェットコースターのような劇体験をこの夏、お届けします!

――― 卯年・2023年。日本の演劇界を跳ね駆け回るNODA・MAP 『兎、波を走る』。兎の如く目と耳がそばだつこと必至の本作、是非ともご期待ください!

【感想】
第一幕 14時2分~16時8分 (2時間6分)
カーテンコール終了は16時12分
数度にわたるカテコの末、最後はスタンディングオベーション。
4年前の『Q』のカテコはあっさり終わってスタンディングオベーションなし。
観客の反応で舞台の出来はよくわかる。
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第一幕の冒頭は、『フェイクスピア』同様に高橋一生が演じる脱兎のおしばいで始まる。
ステージ中央をはさんで縄を持った3組のキャストが縄を揺らして波を模した絵を作る。
その波を縫うように脱兎が登場。
不条理なセリフをつぶやく。
いつもながら謎めいたスタートである。

いつもNODA・MAPは舞台転換の巧みさに感心する。

この芝居で一つ挙げると下記のようなもの。
舞台後方スクリーンに脱兎(高橋一生)が投影されている。
キャスト二人が2本の棒の間に小スクリーンをはった小道具を持って登場。
後方スクリーンから小スクリーンに兎が移動する。
小スクリーンを持ったキャストはステージを練り歩き舞台中央で止まる。
小スクリーンを破って脱兎(高橋一生)が飛び出してくる。

もう一つの特徴は言葉遊び。
電話を逆探知するため時間を伸ばせと言われて、松たか子がピカソのフルネームをしゃべる。
終わって、良く言えたね😄
ダジャレの連発はその時笑ってすぐに忘れてしまう。

さらに、野田さんはアナグラムが好きだ。
劇の題名もアナグラムとなっている。
今回のアナグラムはさらに凝ったものになっていた。
(ネタばれになるので詳細は省略)

野田秀樹の登場はお芝居がだいぶ進行してからだ。
第三の作家?だったが、今回もとにかくいっぱい言葉遊びをする。
滑舌があまり良くないのが持ち味😄なので聞き取りにくい。
さらに、その時は面白く聞けるがどんどん頭から飛び去ってしまう。
今回もよくがんばっていて67のじいさんとはとても思えない動き。
いつまでも元気でいて欲しい。

鏡の国のアリスとピーターパンを合体した話かと思うと途中から様相がかわる。
前回「フェイクスピア」のモチーフは日航機の墜落事故だった。
今回の芝居にも重要なモチーフがあるがネタバレ禁。
かなり集中して観なければならない芝居となっている。

キャストでまず第一に注目したのは秋山菜津子さん。
彼女を最初に認識したのは劇団新感線の舞台「朧の森に棲む鬼
ゲキシネで観たのだが強く印象に残った。
朧の森に棲む鬼」は芝居自体の出来も良かった。
劇団新感線の役者かと思ったが違うようだ。
新感線の舞台にも出演して欲しい。

松たか子さんはいつもながらすごい。
NODA・MAP 『逆鱗』『Q: A Night At The Kabuki』に続いて3回目の観劇。
深津絵里さんと並び、すごいなと思った俳優さんのひとり。
今回も大活躍。
上記でもふれたとおり大量のセリフをよどみなくこなし演技もする。

それから多部未華子さん。
演技はともかくとにかく顔が小さい😄
彼女の舞台は初めてだったが今後もチェックしたいと思った。

キャストは他にもたくさんいたが皆よかった。
NODA MAP は役者さんのセリフが実に多い。
覚えるだけでもたいへんだろう。
それを演技しながら間違えずに噛まずによどみなく吐き出す。
数十分のスピーチでもエーとかアーとか連発して聞き苦しくてしかたないリーマン経営者や政治家は見習ったほうがいい😄

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