Billboard 2023年9月2日

【アルバム】
Travis_Scott_-_Utopia.pngトラヴィス・スコットの “Utopia” が13%減の16万1千ユニット(9万2千枚)で4週連続1位。
ラップのアルバムとしてはドレイクのScorpion以来5年ぶりに最初の4週を1位に滞在。
自身の前作2018年 “Astroworld”の3週を抜いて最長記録更新。

ストリーミングユニットは20%減の6万9千でこれは9,207万回のオンディマンドストリームに相当する。
アーティストのオフィシャルウェブストアで50ドルのレコードが限定時間でたったの5ドルで販売されたことにより強いレコード売上をキープ。
7%減の9万2千枚のうち8万9千枚がレコードの売上と今週もたくさん売れた。
そのうり5ドルで売られたのが何枚なのかは分からない。
5ドルならもっと売れてもよさそうなものだ(笑)
2018年の“Astroworld”が53万7千ユニット(27万枚)で1位に初登場してから5年。
間に “JackBoys” はあったものの、いったい何時発売になるのだ?と待望されたアルバムである。
本アルバムに全米ナンバー1シングル“Highest in the Room”と“Franchise”は収録されていない。
日本盤にはボーナストラックとして収録して欲しいものだ。
いまだに日本盤発売の情報は聞こえてこない気がする。

モーガン・ウォレンの “One Thing at a Time” は4%減の9万1千ユニットながら2位変わらず。
予想とおり日本ではまったく話題にのぼることなくスルーされている😄
好学のためアルバムを入手して試聴してみたがやはり日本ではまったくうけそうにないと思いました(笑)

ホージアの “Unreal Unearth” が6万2千ユニット(3万9千枚)で3位に初登場して3枚目のトップ10入り。
ストリーミングユニットは2万3千でこれは2,958万回のオンディマンドストリームに相当する。
リードシングル “Eat Your Young” がホージア3枚目のAdult Alternative Airplay1位を記録。
売上3万9千のうちレコード売上が2万3千。
5種類のレコードがアマゾンや独立系ショップ限定、ホージアのオフィシャルウェブストアで販売された。
彼の2019年の前作 “Wasteland, Baby!” は8万9千ユニット(7万5千枚)でアルバムチャートのトップを飾った。
印象に残っているのは2013年に最高2位に到達した “Take Me to Church"。
RIAAでダイアモンド認定(1,200万)を受けた大ヒットとなった。

バービーのサントラは15%減の5万5千ユニットながら4位変わらず。

テイラー・スイフトの“Midnights” は8%減の5万3千ユニットながら6位から5位に上昇。

BTS ジェイホープの昨年発表のアルバム “Jack in the Box” がボーナストラックを追加したCD販売で6位に再登場。
昨年6月15日のリリース時はダウンロードとストリミングのみで最高17位にとどまった。
5万ユニットのうち売上が13,238%増の4万7千枚。
ストリーミングユニットは250%増の2千でこれは299万回のオンディマンドストリームに相当する。
他のK-POPアルバム同様ランダム封入のグッズ入りCDパッケージが4種類発売されている。
BTSのメンバーではRMとジミンに続く3人目のトップ10入りとなった。
RMは昨年のIndigoが最高3位、ジミンは今年Faceが最高2位を記録。
BTSは7枚をトップ10入りさせそのうち6枚が1位を記録している。

テイラー・スイフトの“Speak Now (Taylor’s Version)” 【スピーク・ナウ(テイラーズ・エディション)】は21%減の4万8千ユニットで5位から7位に後退。

テイラー・スイフトの“Lover” は14%減の4万6千ユニットで7位から8位に後退。

ペソ・プルマのデビューアルバム “Génesis” は4%減の4万5千ユニットで8位から9位に後退。

モーガン・ウォレンの “Dangerous: The Double Album” は3%減の4万3千ユニットで10位に変わらず。
トップ10内在位は133週目で単独2位。

トップ10内在位週数の長いアルバムのリスト
173, Original Cast, My Fair Lady, 1956
133, Morgan Wallen, Dangerous: The Double Album, 2021
109, Soundtrack, The Sound of Music, 1965
106, Soundtrack, West Side Story, 1962
105, Original Cast, The Sound of Music, 1960
90, Soundtrack, South Pacific, 1958
87, Original Cast, Camelot, 1961
87, Soundtrack, Oklahoma!, 1956
85, Peter, Paul and Mary, Peter Paul and Mary, 1962
84, Adele, 21, 2011
84, Bruce Springsteen, Born in the U.S.A., 1984

1 1 Utopia / Travis Scott 161,000 (92,000)
2 2 One Thing at a Time / Morgan Wallen 91,000
3 - Unreal Unearth / Hozier 62,000 (39,000)
4 4 Barbie: The Album / Soundtrack 55,000
5 6 Midnights / Taylor Swift 53,000
6 - Jack in the Box / J-Hope 50,000 (47,000)
7 5 Speak Now (Taylor’s Version) / Taylor Swift 48,000
8 7 Lover / Taylor Swift 46,000
9 8 Génesis / Peso Pluma 45,000
10 10 Dangerous: The Double Album / Morgan Wallen 43,000

【シングル】
Oliver_Anthony_-_Rich_Men_North_of_Richmond.pngオリバー・アンソニー・ミュージックのヴァイラルヒット “Rich Men North of Richmond” が2週連続1位。
まったくチャートに登場したことのないアーティストがいきなりシングルチャートの1位にランクインしたのはチャート史上初。
デジタル世代だからこその出来事だ。
65年のチャート史上1,153曲目で69曲目の初登場1位。
ストリーミング31%増の2,290万でStreaming Songs 4位から1位に上昇。
売上20%減の11万7千でDigital Songs Sales 2週連続1位。
エアプレイ310%増の230万ながらRadio Songsランク外。
1位に初登場した曲のストリーミングが2週目に増えるのは稀。
今十年記に初登場1位を記録した34曲で2週目にストリーミングを増加させたのは他にオリビア・ロドリゴ “Good 4 U” (4,320万⇒6,270万)だけ。
オリビアの場合は親アルバムSourが発売された効果があった。
そういう要素がないのに2週目のストリーミングが増えたのは初のケースとなる。
とはいってもストリーミングの絶対値は、はるかに少ない。

ルーク・コムズの “Fast Car” は2位変わらず。
彼にとって “The Kind of Love We Make” (2022年10月最高8位) と “Forever After All” (2020年11月最高2位)に続く3枚目のトップ10入り。
トレイシー・チャップマンの曲のリメイク。
チャップマンのオリジナルは1988年8月に最高6位まで上昇。
翌年のグラミー賞でbest female pop vocal performanceを受賞した。

モーガン・ウォレンの “Last Night” は3位変わらず。
アメリカでは大変な人気ぶりだが日本では潔いまでにスルーされている。

今週もシングルチャートのトップ3をカントリーヒットが独占。
8月5日付でジェイソン・アルディーン “Try That in a Small Town,” “Last Night” と “Fast Car” で独占して以来チャート史上3回目の快挙である。

テイラー・スイフトの “Cruel Summer” は4位変わらず。
2019年のアルバム “Lover” からのカットがニューシングルとしてプロモートされている。
現在開催されているエラズツアーは10パートあり今までに発表した9枚のアルバムからの曲を演奏。
最初のAct IがLoverのパートで2曲目に “Cruel Summer” が演奏される。
“Lover” リリースから4年経ち、この曲が同アルバムから“Me!” (最高2位); “You Need to Calm Down” (最高2位); “Lover” (最高10位)に続く4枚目のトップ10ヒットとなった。
彼女のトップ5入りは27曲目でマライア・キャリーと並ぶ史上4位タイ。

トップ5ヒットの多いアーティスト
36, Drake
29, The Beatles
28, Madonna
27, Mariah Carey
27, Taylor Swift
24, Janet Jackson
24, Rihanna
21, Elvis Presley
20, Justin Bieber
20, Michael Jackson
20, Stevie Wonder

ドージャ・キャットの “Paint the Town Red” が15位から5位にジャンプアップ。
エアプレイ37%増の2,260万。
ストリーミングも49%増の2,110万で今週のストリーミングゲイナー獲得。
売上も81%増の5千で今週のセールスゲイナー獲得。
2週前に15位に初登場し、TikTokでヴァイラルヒット。
彼女にとって “Vegas” (2022年10月最高10位); ポスト・マローンとの “I Like You (A Happier Song)” (2022年10月最高3位); “Woman” (No. 7, May 2022年5月最高7位); “Need To Know” (2021年11月最高8位); シザをフィーチャーした“Kiss Me More” (2021年7月最高3位); とニッキー・ミナージュをフィーチャーした “Say So,” (2020年5月1週間1位)に続く7枚目のトップ10ヒットとなった。
本曲は1964年に最高6位を記録したディオンヌ・ウォーウィック(ホイットニーヒューストンの叔母さん)の有名曲 “Walk on By”をサンプリング。
おかげでこの曲のライター、バート・バカラックとハル・デビッドの曲が2004年ツイスタ “Slow Jamz” 以来19年ぶりにトップ10入り。
“Slow Jamz” もディオンヌの“A House Is Not a Home” をカバーしたルーサー・ヴァンドロスの曲をサンプリングしていた。
今年2月8日に逝去したバカラックは60年代からの4十年記で7曲の全米ナンバー1ソングを書いている。
Hot R&B/Hip-Hop Songs と Hot Rap Songs の両チャートで1位。

レマとセレーナ・ゴメスの “Calm Down” は5位から6位に後退。
エアプレイ3%減の8,350万ながら Radio Songs 10週連続1位。
二人にとって初のエアプレイチャート1位。
約1年前にスタートしたBillboard U.S. Afrobeats Songs チャートで52週目の1位。

ガンナの “Fukumean” は7位変わらず。

オリビア・ロドリゴの “Vampire” は6位から8位に後退。
7週前にチャート史上1,150曲目のナンバー1で67曲目の初登場ナンバー1を記録。
ニューアルバムGutsは9月8日発売予定。
トップデビューが見込まれる。どれくらい売れるか楽しみ。

デュア・リパの “Dance the Night” は8位から9位に後退。
彼女にとって“Cold Heart (Pnau Remix)” (最高7位); “Levitating” (最高2位); “Don’t Start Now” (最高2位)と “New Rules” (最高6位)に続く5枚目のトップ10入り。
エアプレイ16%増の5,770万で今週のエアプレイゲイナー獲得。

ニッキー・ミナージュ アイス・スパイスとアクアの “Barbie World” は9位から10位に後退。

オリビア・ロドリゴの “Bad Idea Right?” が10位に初登場。
彼女にとって “Vampire”; “Drivers License” (2021年1月に8週1位); “Good 4 U” (2021年5月に1週1位); “Deja Vu” (最高3位)と “Traitor” (最高9位)に続く6枚目のトップ10入り。
ストリーミング1,970万、エアプレイ530万、売上4千。

1 1 Rich Men North of Richmond / Oliver Anthony Music
2 2 Fast Car / Luke Combs
3 3 Last Night / Morgan Wallen
4 4 Cruel Summer / Taylor Swift
5 15 Paint the Town Red / Doja Cat
6 5 Calm Down / Rema and Selena Gomez
7 7 Fukumean / Gunna
8 6 Vampire / Olivia Rodrigo
9 8 Dance the Night / Dua Lipa
10 9 Berbie World / Nicki Minaj and Ice Spice

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