アイアンクロー

アイアンクロー@ユーロライブ
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制作年:2023
英題:THE IRON CLAW
制作国:アメリカ
日本公開:2024年4月5日
上映時間:2時間12分
配給:キノフィルムズ

監督・脚本☆ショーン・ダーキン

キャスト
ケビン・フォン・エリック☆ザック・エフロン
ケリー・フォン・エリック☆ジェレミー・アレン・ホワイト
デビッド・フォン・エリック☆ハリス・ディキンソン
ドリス・フォン・エリック☆モーラ・ティアニー
マイク・フォン・エリック☆スタンリー・シモンズ
フリッツ・フォン・エリック☆ホルト・マッキャラニー
パム☆リリー・ジェームズ
ビル・マーサー☆マイケル・J・ハーネイ
ザ・シーク☆チャボ・ゲレロ・ジュニア
ブルーザー・ブロディ☆キャジー・ルイス・セレギーノ
ジノ・ヘルナンデス☆ライアン・ネメス
ハリー・レイス☆ケヴィン・アントン
ザ・ファビュラス・フリーバーズ☆マイケル・プロクター
ザ・ファビュラス・フリーバーズ☆サイラス・メイソン
ザ・ファビュラス・フリーバーズ☆デビン・インブラグリオ
ランス☆マクスウェル・ジェイコブ・フリードマン
リック・フレアー☆アーロン・ディーン・アイゼンバーグ
タニア☆チェルシー・エドモンソン

【あらすじ】
1980年代初頭、フォン・エリック家はプロレスの歴史にその名を刻む一家だった。元AWA世界ヘビー級王者の父親フリッツ(ホルト・マッキャラニー)に厳しく育てられた長男ケビン(ザック・エフロン)、次男デビッド(ハリス・ディキンソン)、三男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)、四男マイク(スタンリー・シモンズ)もプロレスラーとしてデビューしプロレス界の頂点を目指すが、次男デビッドが日本でのプロレスツアー中に急死する。

【感想】
1980年代初頭のプロレス一家フォン・エリック家の実話が元になっている。
実話である所がキーポイント。
息子4人のうち3人が亡くなってしまう映画の企画を出したら、現実的で無いと却下されてしまうだろう。
実際のフォン・エリック家には息子が6人いた。
長男は早世。
残り5人のうちなんと4人が亡くなっている。
悲惨すぎるので末弟はこの映画ではカットされていた。

ザック・エフロンは体のつくり込みからプロレス技のマスターまで入魂の演技。
色々な記事に取り上げられているが筋肉を増やすためトレーニングに次ぐトレーンング。
見事なプロレス体型を作り上げた。

プロレスのシーンはカットを繋ぎ合わせて作っているわけではない。
マスターショットと言ってドーンとカメラを設置してフルショットで撮影する方式をとっている。
ごまかしがきかない撮り方だそうだ。

お話は、有害な男性性に支配された一家の人間ドラマ。
父親フリッツ・フォン・エリックは問題のある人物だ。
そのことを直接ひなんするような描写はほとんどない。
印象に残ったのはパムによるケビンの童貞喪失シーン。
人気者でありながら父親の呪縛から逃れられないケビンはその時まで経験がない。
パムはかまわず彼の童貞をうばってしまう🤣
それほどケビンは呪縛されていたのだと思ったわけである。

直接父親をひなんはしないが映画の後半に進むにしたがってフェードアウト。
ラストでケビンが幼い息子ふたりの前で涙を流す。
そして息子たちに、泣いていいんだよ、僕たちはいつも泣いていると慰められる。
男は強くあるべき、泣いてはいけない!という男性性の呪縛から逃れた瞬間。
悲惨なストーリーだけど最後ザック・エフロンの名演で救われた。
見所の多い映画でおすすめである。

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