第72期王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦羽生善治九段VS佐藤康光九段

昨日は藤井聡太王座への挑戦権を決める本戦トーナメントがスタート。
将棋連盟の会長と前会長が初戦から激突した。
早くも将棋youtuberたちが動画で解説してくれている🤣

持ち時間は各5時間。
順位戦の6時間を除けば竜王戦と並ぶ長時間の対局レギュレーションとなっている。
本局も終局時間は21時32分と手数は長くないが両者フルに時間を使った力の入った対局となった。

本局のポイントはふたつ。
一つ目は62手目に佐藤九段が 7八馬 と金を取った局面。
王座1.png

羽生先生はこの局面で 2二桂成 と銀を取ったので劣勢に陥った。
正着は 7八同銀でほぼ互角でやや先手良しが続いていた。
問題は、なぜ 同銀 としないで 2二桂成 と指したのかである。
2二桂成 は以下 7九龍 と銀を取られ、3二成桂 に 6八龍 と王手角取りをかけられて悪そうなのはひと目でわかる。
まさか王手角取りを見逃したとも思えないのでどこに誤算があったのか?
7八同銀 同龍 3九玉 の想定局面で何か嫌な手があったのか?
日経新聞の観戦記では、棋譜やAI分析を聞いても分からない深層に切り込んで欲しい。

もう一つは言うまでもなく終盤。
75手目に羽生九段が 2三飛成 と飛車を敵陣に成りこんだ局面。
王座2.png

この局面で佐藤九段は持ち時間を投入して 3二龍 と切った。
ここでは 4五馬 も有力だったが 3二龍 が正着。
以下一本道で問題の局面を迎える。
3二龍 と切れば他の応手は詰みで先手に選択の余地はない。
王座3.png

既報の通りここで佐藤九段は決め手の 1二飛 を逸して 4一角 と大悪手を指してしまった。
不思議なのは、長考して読み切り 3二龍 と切ったはずなのになぜここで転んだのかである。
藤井聡太八冠ならこの局面ぜったいに 1二飛 と指す。
一本道なのだから 1二飛 まで読み切っていないと 3二龍 とは指せないはず。
羽生九段も 1二飛 で負けだと思っていたのでは?
観戦記者の方はそのあたりを両対局者に話をきいて面白い観戦記にまとめて欲しい。
手の解説はAIで出来るので一歩踏み込んだ付加価値を求めたい🤣

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