令和5年度看寿賞

6月24日に令和5年度看寿賞の速報が発表になった。
(昨年より3日も早い)
今年も全部門で受賞作が出たのは良かった。
ネットでのフライング発表はいただけない
と今年もまた同じことを書いている。

短編の原亜津夫氏は2回目の受賞。
中編の岩村凛太朗氏は2年連続3作目の受賞おめでとうございます。
馬方四季氏も2年連続2回目の受賞。
長編の井上徹也氏は7回目。
齋藤光寿氏は初受賞。
みなさんおめでとうございます。
受賞者が多くて回数間違っていたらごめんなさい。

選評をみていないのでわからないが、毎年言っている全部門最低1作受賞作が満たされたので特に言うことなし。
来年も全部門最低1作受賞は厳守してもらいたい。(しつこい)

今年の審査結果

短編賞 原亜津夫氏作
詰将棋パラダイス
9月号高等学校
17手詰
令和五年度短編原.png

中編賞 岩村凛太朗氏作
詰将棋パラダイス
8月号大学
「バーフバリ」
43手詰
令和五年度中編バーフバリ.png

中編賞 馬方四季氏作
つみき書店12月
39手詰
令和五年度中編馬方.png

長編賞 斎藤光寿氏作
詰将棋パラダイス
2月号詰将棋デパート
77手詰
令和五年度長編齋藤.png

長編賞 井上徹也氏作
詰将棋パラダイス
3月号大学院
「静かの海」
561手詰
令和五年度長編静かの海.png

長編賞 井上徹也氏作
詰将棋パラダイス
11月号大学院
「テンペスト」
317手詰
令和五年度長編テンペスト.png

今年のトピックスはなんと云ってもつみき書店さんのネット発表作が受賞したこと。
解答選手権用の作品がなぜかこちらにまわってきたと仄聞した気がする。
令和五年度の学校の半期賞は下記の通り。
看寿賞も受賞したのは下期大学院井上徹也氏作「テンペスト」のみ。(赤字で表示)

上半期                     
小学校     小15 藤原俊雅  2.78
中学校     中22 武田裕貴  2.76   
高等学校    高14 齋藤光寿  2.90 
短期大学    短2  仲村勇之助 2.73   
大学      大12 弘中祐希  2.87     
大学院     院10 虎野亜奈  2.92  
下半期
小学校     小25 藤原俊雅・岸本裕真  2.80
中学校     中14 梶谷和宏  2.81   
高等学校    高12 津久井康雄 2.81
        高13 弘中祐希  2.78
短期大学    短25 弘中祐希  2.84  
大学      大7  森長宏明  2.80     
大学院     院10 井上徹也  3.00

大学や大学院は解答者が少なく評点はあまり当てにならない。
短期大学以下は解答者も多く、評点はある程度参考になる。
(毎年同じことを書いている)

今年看寿賞を受賞した6作品のうち4作が学校の出題作。
いつになく学校出題作の受賞が多かった。
ところが4作のうち半期賞の受賞作はたったの1作。
井上徹也氏作「テンペスト」だけだった。
半期賞を逸した上期の「静かの海」が看寿賞を受賞。
原亜津男氏作と岩村凜太朗氏作「バーフバリ」も同様。

半期賞を受賞できなかった3作品の評点は以下の通りである。

高等学校下期 高15 原亜津夫   2.82
大学院 上期 院6  井上徹也   2.92
大学  下期 大5  岩村凜太朗  2.70

上半期の高等学校半期賞を受賞した高14齋藤光寿氏作は2.90と短編では異例の高得点。
内容も3枚の駒のスイッチバックで看寿賞選考委員の好みかも(笑)
ところが惜しくも受賞ならず。

下半期では小5藤原俊雅氏作が2.86と高得点。
こちらも紛れシフマン2回、玉方のサード・バッテリーと看寿賞選考委員が好みそうなテクニカルターム満載の好作で印象に残った。
こちらは半期賞も受賞ならず。

年末の「今年のベスト」では中編で印象に残った作品として下記をあげた。
6月号岩村凜太朗氏作「秋霧」
8月号の山本陽貴氏作(29手)

長編分野では3作。
井上徹也氏の3月号院6「静かの海」
二つ目は11月号院10「テンペスト」
煙詰では岩村凜太朗氏作7月号院3「匈奴愛」

選評を読まないと分からないがおおむね妥当な審査結果のように感じた。
半期賞受賞作がそのまま看寿賞につながらないのもいいのではないかと思う。
高度な作品は人によって好みも違うので担当の好みがもっと押し出されてもよかろう🤣

編集部や担当ならびに作家のみなさまには感謝の意を捧げ、今年も良い作品をたくさん発表してくださるようお願いします。

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