ABEMAトーナメント2024予選Aリーグ第三試合(チーム中村VSチーム広瀬)

昨夜はABEMAトーナメント2024予選Aリーグ第三試合(チーム中村VSチーム広瀬)が放映された。
結果はチーム広瀬が 5-4で勝利。
深夜1時に及ぶ熱戦を堪能した。
その中で詰将棋愛好家目線で気になった局面を紹介🤣

まずは第5局の杉本和陽五段VS渡辺和史六段戦。
先手の杉本和陽五段の三間飛車がうまく決まって終始優勢。
ところが決め手を逸して逆転。
後手の勝ちになったが渡辺六段にも悪手が出て再逆転。
140手目に渡辺和史六段が 4四玉 と逃げた。
杉本渡辺0.png

色々と簡単な勝ちがあったはずだがこの局面は先手の勝ちだ。
ところが杉本五段はここで大悪手を指してしまう。
杉本渡辺1.png

杉本五段は大悪手 3二飛成 を指してしまった。
これでは先手玉が詰んでしまう。
詰手順は以下のとおり。

2八香成 同玉 1八金 2七玉 1七金 同玉 1六金 2八玉 1七銀 1九玉 2七桂 2九玉 1八角 3八玉 2六桂 4九玉 3九桂成 同玉 3八銀 まで

1八に玉を呼んで 2六桂 の形を目指すのがポイント。
実戦で応用に利く手筋である。
渡辺六段は 2八香成 同玉 と正解手順にすすんだが 1八金 が見えずに 2六銀 と打ってしまったので一瞬のチャンスは去ってしまった。
さかのぼって 3二飛成 のところでは 5五角 5四玉 と玉を遠ざけてから 3二飛成 と香を取って先手の勝ちだった。

続いて第8局 渡辺和史六段広瀬章人九段戦の詰みも印象に残った。
130手目に広瀬九段が 4五銀 と打って下駄をあずけた。
渡辺広瀬0.png

以下の詰手順は少々長い。
3二馬 同香 1三銀 同香 1二金 同玉 2四桂 2二玉 1二金 (まで139手で投了)3一玉 3二桂成 同玉 4三金 4一玉 4二金 同玉 4三歩成 3一玉 3二歩 4一玉 4二歩 5一玉 5二と まで
23手詰めと手数は長いが端に金駒を捨てて 2四桂 を打つ筋が見えれば簡単な詰み。
時間の無い中この詰みが見えるのはさすがである。
さかのぼって 116手目に後手の広瀬九段が 8八飛成 と指して詰めろをかけた局面。
渡辺広瀬1.png

実はこの局面後手玉に詰みが生じている。
詰手順は以下の通り。

3三馬 同玉 4五桂 2二玉 3三銀 1三玉 2四銀打 同歩 同銀成 2二玉 3二馬 同香 3三桂成 3一玉 4二成桂 同玉 4三金 3一玉 4二金打 2一玉 3二金 1二玉 1三香 まで

手数は上述の詰みと同じ23手でかなりの長手数。
3三馬 と桂を取ってしまう手は考えにくい。
また 同玉 4五桂 に 3四玉 と逃げる変化で 3五金 から 4六銀 と攻める手も上部に逃がすようで指し難い。

時間が無い中この詰みを逃すのはやむをえまい。
でも聡太七冠なら見えて詰ますのではないか?
最後の詰みのところの力の差は大きいだろうなと思い興味深かった🤣



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