Billboard2024年7月20日

【アルバム】
Taylor_Swift_–_The_Tortured_Poets_Department_(album_cover).pngテイラー・スウィフトの “The Tortured Poets Department” が43%増の16万3千ユニット(9万枚)で12週連続1位。
ホイットニー・ヒューストン “Whitney” のデビュー以来11週連続を抜いて女性ソロでは最長記録を樹立。
最初の12週間で1位を連続してキープしたアルバムはチャート史上他に2枚しかない。
モーガン・ウォレンの“One Thing at a Time”は2023年から24年にかけて12週連続で1位をキープして通算19週1位を記録。
スティービー・ワンダーの“Songs in the Key of Life”は1976年に最初の13週連続で1位をキープして通算14週1位を記録。
1991年にルミネイトによる集計が始まってからは初週にナンバー1デビューを飾るアルバムが普通になったが以前は稀だった。
ルミネイトによる集計が始まる前に初週1位を記録したのはホイットニーとスティービーの2枚を含めてたったの6枚しかない。

女性アーティストではアデルの “21” が2011年から翌年にかけて通算24週1位を記録したのが最長記録。
連続1位ではホイットニー・ヒューストンの“The Bodyguard” が1992年から翌年にかけて13週連続(通算20週)で1位をキープして以来の最長。

彼女の14枚のナンバー1アルバムの中で“1989” と “Fearless” の2枚を抜き最も長い12週在位となった。
デビューから12週連続で1位をキープしたのはFolkloreの6週を抜いて最長。

ストリーミングユニットは7%減の7万2千ユニットでこれはオンディマンドストリーム9,483万回に相当する。
売上は154%増の9万でTop Album Sales 通算6週目の1位。
CDの売上が127%増の6万7千枚。
ダウンロードが1,266%増の1万9千。
レコード売上は10%減の4千。
サイン入りを含む7種類のCD在庫が返品により補充され、彼女のウェブストアで7月7日に数時間だけ販売された。
ダウンロード盤も7月11日に3種類のニューヴァージョンが彼女のウェブストアで
その日だけ4ドル99セントで販売された。
通常盤の16曲にボーナストラックが1曲。
ボーナストラックはストックフォルムで開催されたエラズ・ツアーで録音された“Guilty as Sin?”、 “How Did It End?”、 “Peter” いずれかののライブヴァージョン。
さらに“Fortnight”のカルト・リミックスとアコースティック・レンディションが7月8日にストリーミングとダウンロードがリリースされた。
後者はすでに限定盤CDに収録されていたものである。
音源すべて集めるのにいくらかかるんだ?って感じ(笑)

TTPDはテイラー14枚目のナンバー1アルバム。
ジェイ・Zと並びビートルズ19枚に次ぐ史上2位タイとなった。
ナンバー1アルバムの多いアーティスト
19, The Beatles
14, Jay-Z
14, Taylor Swift
13, Drake
11, Bruce Springsteen
11, Barbra Streisand
11, Ye (formerly Kanye West)
10, Eminem
10, Future
10, Elvis Presley

またテイラー・スウィフトの1位在位週数は81週となり、ソロアーティストでは最高記録更新。
2位はエルヴィス・プレスリーの67週。

ザック・ブライアンの “The Great American Bar Scene” が363%増の13万7千ユニットで17位から2位に上昇。
7月4日木曜日に変則リリースされたので前週の集計期間に売れた3万2千ユニットで17位にランクインしていた。
今週はフルに集計されたのでポジションアップ。
ストリーミングユニットは390%増の12万7千5百でこれは1億6,387万回のオンディマンドストリームに相当する。
売上は66%増の8千5百でダウンロードオンリー。


モーガン・ウォレンの “One Thing at a Time” は6%減の6万9千ユニットで2位から3位に後退。
通算19週も1位を記録。
前作 “Dangerous: The Double Album” も26万5千ユニット(7万4千枚)で1位に初登場し10週も1位を記録。
アメリカでの人気は根強い。
こちらも外盤を購入したが好みでなくほとんど聴いてない。

ビリー・アイリッシュの “Hit Me Hard and Soft” は8%減の5万8千ユニットながら4位変わらず。

チャペル・ローンの“The Rise and Fall of a Midwest Princess”は10%減の5万4千ユニットながら5位変わらず。
6月9日ガバナーズ・ボール・ミュージック・フェスティバル3日目アリアナ・グランデのシャウトアウトに促されて行われたパフォーマンスが大きく報道されて話題を呼んだ。
相変わらずメディア露出が続いており6月20日までの集計期間では16日のボナルー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバルに出演。
6月21日早朝にNBCジミー・ファロンのトゥナイトショウでインタビューとパフォーマンスが放映された。
多くのアルバムがトップ10内に初登場してピークを迎えるのに対して本アルバムはチャートイン12週目のトップ10入り。
最近ではノア・カーンの“Stick Season” が29週目にデラックス盤の発売で100位から3位に上昇して初のトップ10入りを果たして以来の遅いトップ10入り記録。
それより前でトップ10入りに12週以上を要したのはドージャ・キャット“Hot Pink” 。
2020年5月16日付でチャートイン27週目に19位から9位に上昇してトップ10入りした。

モーガン・ウォレンの “Dangerous: The Double Album” は8%減の4万ユニットながら6位変わらず。
トップ10内在位は151週目で単独2位。

ノア・カーンの “Stick Season” は3%減の3万8千ユニットながら9位から7位に上昇。

シャブージーの3枚目 “Where I've Been, Isn't Where I'm Going” は10%減の3万6千ユニットながら8位変わらず。
彼にとってこれが初のチャートインでトップ10入り。
売上はすべてダウンロードで他のフォーマットは無い。
フィジカルも発売になるようなのでアマゾンで購入予約した。
もちろんこんなのが日本盤発売になるわけがない。

メーガン・ジー・スタリオンの “Megan” は半減の3万2千ユニットで3位から9位に後退。
6枚目のトップ10入り。
6月2日にリリースが予告された本アルバムからは “Cobra” (最高32位)“Hiss” (最高1位)“Boa” (最高39位)3枚の先行シングルがリリースされている。
彼女のウェブサイト限定で販売された3種類のカバー違いのCDのほか5種類のデジタルアルバムがある。
デジタルアルバムは誰でも買える通常盤のほかボーナストラック付きアマゾン限定盤、2種類のカバー違いヴァージョン、デジタルサイン付き盤の合計5種類がある。
うしろの3種類はアーティストのウェブサイトでの限定販売。
こちらも国内盤の発売は絶望なのでアマゾンで外盤を購入予約した。

ザック・ブラインのセルフタイトルアルバム は12%減の3万2千ユニットながら12位から10位に上昇。

1 1 ★The Tortured Poets Department / Taylor Swift 163,000 (90,000)
2 17 ★The Great American Bar Scene / Zach Bryan 137,000 (8,500)
3 2 One Thing at a Time / Morgan Wallen 69,000
4 4 Hit Me Hard and Soft / Billie Eilish 58,000
5 5 The Rise and Fall of a Midwest Princess / Chappell Roan 54,000
6 6Dangerous:The Double Album / Morgan Wallen 40,000
7 9 Stick Season / Noah Kahan 38,000
8 8 Where I've Been, Isn't Where I'm Going / Shaboozey 36,000
9 3 Megan / Megan Thee Stallion 32,000
10 12 Zach Bryan / Zach Bryan 32,000

【シングル】
Kendrick_Lamar_-_Not_Like_Us.pngケンドリック・ラマーの “Not Like Us” が3位から1位に上昇して通算2週目の1位。
7月4日にオフィシャルビデオがリリースされて売上増。
9週前にチャート史上1,171曲目でナンバー1で79枚目の初登場1位を記録。
間に8週間をおいての1位復帰はクリスマスソングを除けばマイリー・サイラスの“Wrecking Ball” オリビア・ロドリゴ “Vampire” の9週に次ぐ最長記録。
6月19日にカリフォルニア、イングルウッドのザ・フォーラムで開催されたザ・ポップ・アウト:ケン&フレンズで "Not Like Us" を5回にわたり異なる要素を盛り込んだヴァージョンでパフォーマンスした。
ストリーミング20%増の5,380万でStreaming Songs 2位から1位に復帰して通算5週目の1位。
エアプレイ9%増の4,000万でRadio Songs 10位から9位に上昇。
売上も16%増の8千でDigital Song Sales 6位から4位に上昇。
Hot Rap Songs 9週、Hot R&B/Hip-Hop Songs7週1位。

3月の “Like That” でラマーは自分がラッパーナンバー1でドレイクやジェイ・コールはめじゃないと二人をディスった。
もとはドレイクのFirst Person Shooter なんだけど、3人のほかにエイサップ・ロッキー、リック・ロス、ザ・ウィークエンド、イェも巻き込んだディスり合いになっている。
そんな話題は日本に伝わることがなく目にすることも耳にすることもない。
あいかわらずキレイな男の子や女の子がいっぱい出てきてチャカチャカ踊っているだけだ(笑)
平和で良い。

ケンドリック・ラマーのナンバー1リスト
“Not Like Us” 2024/5/18 (今の所2週間)
“Like That” 2024/4/6 3週間
“Humble” 2017/5/6 1週間
“Bad Blood” 2015/6/6 1週間

シャブージーの “A Bar Song(Tipsy)” は1位から2位に後退。
Hot Country Songs は2週連続通算5週目の1位。
バージニア州出身のシャブージー(本名コリンズ・オビンナ・チブエゼ)の本曲以前のチャートインは2曲。
ビヨンセのナンバー1アルバム“Cowboy Carter” 収録曲のうち2曲 “Spaghettii” と“Sweet*Honey*Buckiin” で客演しそれぞれ31位と61位にランクインした。

“A Bar Song(Tipsy)” は最高5位を記録したアルバム“Where I’ve Been,Isn’t Where I’m Going” (カントリーアルバムチャート最高2位)からのカット。
29歳でブレイクした彼のキャリアは既に10年に及び満を持しての登場となった。

エアプレイ16%増の6,950万で今週もエアプレイゲイナーを獲得。
売上は8%減の2万1千ながら Digital Song Sales 9週1位。

本曲には2004年に最高2位を記録したJ-クウォン“Tipsy” が使われている。
6月30日の夜ベット・アワーズにおいて、7番目のパフォーマーとしてふたり(シャブージーとJ-クウォン)で両曲のマッシュアップをパフォーマンスした。

ナショナルチャートとカントリーの両チャートで黒人男性アーティストが1位となったのは初。
女性ではビヨンセのTexas Hold‘Emが今年偉業達成。

ナショナルチャートとカントリーの両チャートで1位到達したのは本曲含めて28曲。
ナショナルチャートとカントリーの両チャートで1位到達した曲のリスト
“A Bar Song (Tipsy)” Shaboozey, 2024
“I Had Some Help” Post Malone feat. Morgan Wallen, 2024
“Texas Hold ‘Em” Beyoncé, 2024
“I Remember Everything” Zach Bryan feat. Kacey Musgraves, 2023
“Rich Men North of Richmond” Oliver Anthony Music, 2023
“Try That in a Small Town” Jason Aldean, 2023
“Last Night” Morgan Wallen, 2023
“All Too Well (Taylor’s Version)” Taylor Swift, 2021
“We Are Never Ever Getting Back Together” Taylor Swift, 2012
“Amazed” Lonestar, 1999-2000
“Islands in the Stream” Kenny Rogers duet with Dolly Parton, 1983
“I Love a Rainy Night” Eddie Rabbitt, 1981
“9 to 5” Dolly Parton, 1981
“Lady” Kenny Rogers, 1980
“Southern Nights” Glen Campbell, 1977
“Convoy” C.W. McCall, 1975-76
“I’m Sorry” John Denver, 1975
“Rhinestone Cowboy” Glen Campbell, 1975
“Thank God I’m a Country Boy” John Denver, 1975
“Before the Next Teardrop Falls” Freddy Fender, 1975
“(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song” B.J. Thomas, 1975
“I Can Help” Billy Swan, 1974
“The Most Beautiful Girl” Charlie Rich, 1973
“Honey” Bobby Goldsboro, 1968
“Harper Valley P.T.A.” Jeannie C. Riley, 1968
“Big Bad John” Jimmy Dean, 1961
“El Paso” Marty Robbins, 1959-60
“The Battle of New Orleans” Johnny Horton, 1959

チャート史上1,174曲目のナンバー1ソングでタイトルに song という言葉を含む11曲目のナンバー1ソングとなった。
song がタイトルに含まれる曲としてはスティービーBのBecause I Love You(The Postman Song)以来34年ぶり。
タイトルに song という言葉を含むナンバー1ソングのリスト
“A Bar Song (Tipsy)” Shaboozey, 2024
“Because I Love You (The Postman Song)” Stevie B, 1990
“There’ll Be Sad Songs (To Make You Cry)” Billy Ocean, 1986
“Escape (The Pina Colada Song)” Rupert Holmes, 1979-80
“Silly Love Songs” Wings, 1976
“I Write the Songs” Barry Manilow, 1976
“(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song” B.J. Thomas, 1975
“Annie’s Song” John Denver, 1974
“Killing Me Softly With His Song” Roberta Flack, 1973
“Song Sung Blue” Neil Diamond, 1972
“The Chipmunk Song” The Chipmunks with David Seville, 1958-59

ポスト・マローンとモーガン・ウォレンの “I Had Some Help” は2位から3位に後退。
ポスト・マローン6枚目とモーガン・ウォレン2枚目の全米ナンバー1。
シングルチャートとカントリーチャートの双方で1位を記録した27曲目のシングルとなり、両チャートで1位に初登場して3週連続で1位をキープした史上初の曲となった。
さらに5週連続に記録を更新。
史上初の2週連続記録を達成したのは昨年のオリバー・アンソニー・ミュージック Rich Men North of Richmond。

エアプレイ2%増の8,100万でRadio Songs 3週連続1位。
8週目でエアプレイチャートトップのトップに立ちポスト・マローンにとって2019年から翌年にかけて11週1位を記録したCircles以来2枚目、モーガン・ウォレンは初の1位を記録。
カントリーエアプレイチャートでも(たぶん)3週連続1位。
カントリーとオールジャンルの両エアプレイチャートで1位になった曲はたったの6曲しかない。
カントリーエアプレイとRadio Songs両方で1位になった曲のリスト
① I Had Some Help / Post Malone feat.Morgan Wallen 今の所2週間、8週目で達成
② Fast Car / Luke Combs 2023年4週間、16週目で達成
③ I Hope / Gabby Barrett feat.Charlie Puth 2020年1週間、35週目で達成
④ Meant To Be / Bebe Rexha &Florida Georgia Line 2018年5週間、14週目で達成
⑤ Need You Now / Lady A 2010年2週間、26週目で達成
⑥ You Belong With Me / Taylor Swift 2009年2週間、21週目で達成
シングルチャートで1位に到達したのは ① I Had Some Helpだけだ。

トミー・リッチマンの初ヒット “Million Dollar Baby” は5位から4位に上昇。
彼の過去のチャートインは昨年11月にブレント・ファイヤズ “Upset” にフィーチャーされてHot R&B Songs 12位 Hot R&B/Hip Hop Songs 33位にランクインのみ。
まったくの新人がチャート上位に初登場したのは昨年のオリバー・アンソニー・ミュージック“Rich Men North of Richmond” 以来。
オリバーはその後音沙汰無しだがトミーはどうなるか楽しみ。
Hot R&B Songsで11週連続1位。

サブリナ・カーペンターが2曲をトップ10に送り込んでいる。
“Espresso” は4位から5位に後退。
“Please Please Please” は6位変わらず。

“Please Please Please” のオフィシャルビデオは6月7日リリース。
現在のボーイフレンドであるオスカーノミネート俳優バリー・キーガンが出演している。
リリース日の翌日にNYのフラッシング・メドウズ・コロナ・パークで開催されたゴバナーズ・ボール・フェスティバルで両曲のパフォーマンスを披露。
8月23日リリース予定のニューアルバムShort n' Sweet に収録予定。
また彼女はテイラー・スウィフトのエラズ・ツアーで昨年8月から今年の3月にかけての
メキシコ・アルゼンチン・ブラジル・オーストラリア・シンガポール30公演でオープニングアクトをつとめた。
東京公演には来ていない💢
前座があると本公演は1時間遅れになるから無い方が良かったけど🤣

モーガン・ウォレンの “Lies Lies Lies” が7位に初登場。
2,700万ストリーム、450万エアプレイで売上は1万4千枚。
昨年12月にロンドンのアビーロードスタジオで収録され3月3日にアビーロードセッションデジタルシリーズ(全7曲)の一部としてリリースされた。
彼にとって10枚目のトップ10ヒットで7曲目のトップ10内初登場となった。
2020年代にトップ10ヒットを10曲以上放ったのは彼を入れて11人目。
トップ10ヒットの多いアーティスト(2020年代)
① ドレイク 43
② テイラー・スイフト 34
③ 21サヴェージ 16
④ フューチャー 13
⑤ ジャスティン・ビーバー 11
⑤ リル・ベイビー 11
⑤トラヴィス・スコット 11
⑧ バッド・バニー 10
⑧ メトロ・ブーミン 10
⑧ モーガン・ウォレン 10
⑧ ザ・ウィークエンド 10
ラッパーが半分を占めている

ホージア “Too Sweet” は7位から8位に後退。
ワンチャンスを活かして1位に到達しておいて良かったね🤣
Hot Rock&Alternative Songsは14週1位。
Hot Rock Songs とHot Alternative Songsは15週1位。

ベンソン・ブーンの最高2位に到達した大ヒット “Beautiful Things” も8位から9位に後退。

テディー・スイムズのナンバー1ヒット “Lose Control” も9位から10位に後退。

1 3 ★Not Like Us / Kendrick Lamar
2 1 A Bar Song (Tipsy) / Shaboozey
3 2 I Had Some Help / Post Malone featuring Morgan Wallen
4 5 Million Dollar Baby / Tommy Richman
5 4 Espresso / Sabrina Carpenter
6 6 Please Please Please / Sabrina Carpenter
7 – ★Lies Lies Lies / Morgan Wallen
8 7 Too Sweet / Hozier
9 8 Beautiful Things / Benson Boone
10 9 Loose Control / Teddy Swims
★はポイント増

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