NODA・MAP第27回公演『正三角関係』

NODA・MAP第27回公演『正三角関係』@東京芸術劇場プレイハウス
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8月7日(水)14時からの公演で観劇。
大人気公演で今回もチケットがなかなか取れなかった。
松本潤13年ぶりの舞台出演ということでさらに取りにくくなったものと思われる。
ぴあのプレミアム会員先行抽選は3回も落選。
平日昼間を選択したのに全然ダメ。
ぴあの会員はやめようと思う(笑)
eプラスの一般販売が奇跡的につながって買うことができた。

NODA・MAPは2015年の第19回公演『エッグ』から毎回観ている。
今回も豪華キャストに惹かれて観に行ってきた。
2019年の『Q』は今ひとつだった(記事書かなかった😄)が前々回の『フェイクスピア』と前回の『兎、波をはしる』は良かった。
NODA MAP は出来、不出来の差が結構ある。
今回の公演は大当たり🎯だった。

野田秀樹の演劇スタートは1976年劇団夢の遊眠社だと思う。
駒場寮に黒地に天使と流れ星が書かれたポスターが貼りだされていた。
当時はまったく興味がなくスルーしていた。
50年近く前のポスターの記憶だけが残る。
まったく演劇には興味なく、30年以上が経過。
50年近く野田さんはまだ創作に(子作りに)励んでいる😄
娘の要求で劇団四季や宝塚の舞台を観劇し始めて今にいたっている。

ストレートプレイで後述するようにやや難しい故か観客の年齢層は高くやや女性が多いかな、くらい。
今回は松本潤目当ての観客で若者だらけかと思ったがそんな雰囲気はなかった。
嵐のファンの年齢層は高いのだろうか?

【公演情報】
東京公演 東京芸術劇場プレイハウス 2024年7月11日(木)~8月25日(日)
北九州公演 J:COM北九州劇場 大ホール 2024年9月5日(木)~9月11日(水)
大阪公演 SkyシアターMBS 2024年9月19日(木)~10月10日(木)
ロンドン公演 Sadler’s Wells Theater 2024年10月31日(木)~11月2日(土)

【キャスト】
唐松富太郎☆松本潤 
唐松在良/グルーシェニカ☆長澤まさみ 
唐松威蕃☆永山瑛太
生方莉奈☆村岡希美 
ウワサスキー夫人☆池谷のぶえ 
番頭呉剛力☆小松和重
唐松兵頭/盟神探湯検事☆竹中直人
不知火弁護人/神父☆野田秀樹

【公式サイトの紹介文】

松本潤×長澤まさみ×永山瑛太=『正三角関係』!?
今夏、演劇界の“事件”、開幕。

松本潤、長澤まさみ、永山瑛太。もはや説明不要の3人が舞台初競演。
松本潤は野田が20年前に出会ってから、数多くのワークショップに参加して来た。まさに満を持してのNODA・MAP初登場。自身も実に13年ぶりの舞台出演となる。そして、『THE BEE』(21年)で暴力に屈していく様を儚くも美しく演じ観客を魅了した長澤まさみ。さらに、『MIWA』(13年)『逆鱗』(16年)で清冽で鮮烈なインパクトを残し、近年も表現するたびに新鮮で目覚ましい活躍を見せる永山瑛太。野田が「この作品のために生まれてきた3人」と賞する座組だ。おのずとこの組み合わせに期待せずにはいられない。

この3人を中心に野田はどんな物語を描くのか…?
物語の発射台は、『カラマーゾフの兄弟』。19世紀ロシア文学を代表するドストエフスキーの最高傑作を入口に、野田は「日本のとある場所のとある時代の花火師の家族」、つまり「唐松族からまつぞくの兄弟」の新しい物語を創り上げた。

この芝居は、父殺しという“事件”を扱ったサスペンス。
舞台は、日本のとある時代。物語はある花火師一家の三兄弟を軸に展開する。
三兄弟は、長男が花火師。次男が物理学者。三男は聖職者である。
この長男と父親が、一人の“女”を巡る三角関係を織り成し、“父親殺し”へと発展する……

『カラマーゾフの兄弟』の設定を入口に、「唐松族の兄弟」を演じるのが、松本・長澤・永山の3人だ。松本が長男の花火師を、永山が次男の物理学者を、長澤が三男(!)の聖職者を演じ、この三兄弟の父親を竹中直人が演じる。いつもの如く、お客さまの観劇当日の新鮮さのために、NODA・MAPの新作公演は幕が開くまで物語の全貌が明かされない。とはいえ、『松本は心が荒廃した花火師、長澤は性格的にも真反対の“男役”と“女役”の二役を演じ分け、永山は神をも恐れぬ不敵なインテリと、3人いずれも新鮮な役どころである。』という断片的なインフォメーションが明かされている。

松本・長澤・永山の3人に加えて、村岡希美、池谷のぶえ、小松和重、竹中直人という日本のエンタテインメント界に欠かせない強者たちが勢揃い。いずれも近年のNODA・MAP作品で圧倒的な存在感を放ってきた4名による、まさに盤石のキャスティングだ。加えて、毎回、何役を演じるのか注目が集まる野田秀樹も舞台に立つ。さらに、ここにNODA・MAPを語る上で欠かせない変幻自在な17名の精鋭アンサンブルキャストが合流。総勢25名のキャストがめくるめく野田ワールドを展開する。
この芝居そのものが、演劇界の“事件”とも言えるこのドリームキャストが起こす化学反応は必見だ。

【感想】
第一幕 14時3分~16時21分 (2時間18分)
カーテンコール終了は16時24分
数度にわたるカテコの末、最後はスタンディングオベーション。
席は最後列の補助席。
遠かったけどセンターなのは良かった。

ステージセットは下のイラストを参照。
正三角関係ステージ.jpg

©yukkemaru 禁無断転載

ステージ正面奥には下手上がりのレンガ造りの橋のような構造物がある。
橋の下にはアーチ状の開口部がふたつ。
開口部からキャストが出たり入ったりする。

その手前に橋の上手サイドに上がる坂がある。
そして椅子が3つ。
上手と中央と下手に置かれている。
上手の椅子は弁護人。
中央は裁判長。
下手の椅子は検察官の位置を示している。

さらに中央にはクロスした白いポール。
ポールは舞台設定に活躍する。
唐松兵頭殺害のシチュエーションなら下記の通り。
ステージ中央にポールを4本立てて間を白いテープで結ぶ。
四角い枠を窓に見立てた中に唐松兵頭がいる。
手前に位置する唐松富太郎がチャンスをうかがう。
そんな調子である。

ステージセットは全編このままだ。
新感線の舞台のようなセットの転換はなかった(と思う)

今回のお芝居のモチーフはふたつ。
一つはドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」
50年近く前に読んだけどまったく覚えていない。
今回の芝居に備えて再読しようかと思ったけど断念😅
そこまでの根性は無かった。

もう一つのモチーフは時宜に適していた。
以下ネタバレするので見たくない人はパスしてください。
カラマーゾフの兄弟は父殺しを巡る審問がメインの作品。
この芝居でもそれは同様である。
唐松富太郎は花火師で唐松威蕃が物理学者という配役もキーポイント。

結果唐松富太郎(松潤)は父殺しの罪で有罪となるがある目的の為放免される。
(配役の妙である)
審問が行われていた舞台は長崎というのも味噌。
長崎は坂の多い街でそれがステージセットにも反映されている。
無罪放免後に富太郎(松潤)は人形峠にむかう。
彼が去った長崎にはボム💣
松潤の二人の弟は灰燼に帰す。
このシーンの表現が秀逸だったけど遠くて良く分からなったのは残念。
ラストは松潤の強烈な独白で幕をおろす。
これ以上無い反戦メッセージの籠った芝居で素晴らしかった。
ロンドン公演にどのような観客が来るのか分からないが反応が楽しみ。
アメリカで公演するのは難しいだろう😓

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