本日放映されたNHK杯将棋トーナメント2回戦第5局徳田拳士 四段VS中村太地 八段は面白かった。
紆余曲折あったが最後は徳田 四段が着地に失敗して逆転負け。
ポイントとなった局面は98手目に中村八段が 1四歩 と詰めろをかけて下駄を預けた局面。
AI評価は95-5で先手の勝ち。
この局面で徳田 四段は 4二銀 から後手玉を仕留めに行った。
結論としては後手玉に詰みはなく別の手が正着だった。
AIの推奨手は 2五玉 だった。
以下 3四銀打 1六玉 3六銀 とすすんで先手玉は必至。
先手の負けにみえる。
ところがこの局面は後手玉に詰みが生じている。
詰手順は以下のとおり
4一龍 同玉 6一飛 5一飛 同飛成 同玉 2四角 3三金 同角成 同桂 3一飛 4一角 5二金 同玉 4四桂 4三玉 4一飛成 4二金 同龍 同玉 3二金 4三玉 3五桂 4四玉 5五金 3五玉 4四角 2四玉 3三角成 1三玉 2四銀 1二玉 2二金 まで
変化有るも詰み。
30手に及ぶ詰み筋を30秒で読み切るのはムリだ。
3四銀打 のところ 2四歩 1六玉 3六銀 とすすめる手もある。
こちらも後手玉は詰みだ。
4一龍 同玉 5二銀 3一玉 1三角 4二玉 4三金 同金 2二飛 3二歩 4三銀成 同玉 3五桂 4二玉 2四角成 3三銀 同馬 同玉 2三飛成 4四玉 4三龍 3五玉 3四金 まで
2四歩 1六玉 2六銀打 とすすめる手もある。
この手に対して は4一龍 と詰めにいくよりは 2三桂 2二玉 4四角 と打って 3三歩 に 2六角 同銀成 同玉 とすすめて勝ち。
4一龍 同玉 から長手数の詰みもある。
以下 6一飛 4二玉 5一角 4三玉 4四歩 3四玉 2四角成 同玉 2一飛成 2二角 2五銀 3三玉 3四金 同銀 同銀 2四玉 2五銀 3三玉 3二龍 同玉 4三銀 2一玉 3二金 1二玉 2二金 同玉 3四桂 2三玉 4一角 3三玉 4二銀不成 4四玉 4五歩 5四玉 6三角成 同玉 5三角成 7二玉 6四桂 8一玉 7一馬 同玉 7二金 まで
いずれにせよこんな詰みが読み切れるわけがなく、感想戦で検討されていたのは2三桂 だけだった。
2三桂 に 同金 は 4二金 で詰みなので 2二玉 と逃げることになる。
以下 1一桂成 同玉 4一龍 で先手の勝ちのようだが 2五玉 のように詰みが読み切れる明確な局面というほどでもない。
今週も中村八段の強烈な追い込みからの逆転が印象に残る面白い将棋だった。
中村八段の今後の活躍を期待します。🤣
この記事へのコメント