歌舞伎NEXT『朧森に棲む鬼』@新橋演舞場
公演日程
【新橋演舞場】2024年11月30日(土)~12月26日(木)
1等席16,500円 2等A席9,500円 2等B席6,500円
3階A席 6,500円 3階B席 3,000円 桟敷席17,500円
【博多座】2025年2月4日(火)〜2月25日(火)
A席16,500円B席10,500円C席6,500円
【作】中島かずき
【演出】いのうえひでのり
【出演】
ライ/サダミツ☆松本幸四郎
サダミツ/ライ☆尾上松也
ツナ/オボロヒ☆中村時蔵
シキブ/オボロミ☆坂東新悟
キンタ☆尾上右近
シュテン/オボロツ☆市川染五郎
アラドウジ☆澤村宗之助
ショウゲン☆大谷廣太郎
マダレ☆市川猿弥
ウラベ☆片岡亀蔵
イチノオオキミ☆坂東彌十郎
【あらすじ】
いつとも知れぬ戦乱の世。
その島国には《オボロの森》があり、
古い神はそこで
《魔物》になるという。
深い森の中、
飢え乾いて眼をぎらつかせ、
野良犬のごとく屍の山を漁る男が一人。
その名は《ライ》。
我欲をむき出しにして舌先三寸、
女や金を騙し取る日々。
今は落武者狩りで屍から金品を奪っていた。
そこへ聞こえる、轟々たる水音。
分け入った先には
巨大な滝と無数の髑髏。
そこに現れる《オボロの魔物》。
悪の素質を見込んだか、
魔物は《ライ》の奥底にある
欲望を呼び覚ます。
それは、この国の王座を我がものにすること――
お前の生き血――
命と引き換えにこの国の王座を与えよう
思いがけない運命の変転に奮い立ち、
条件つきで魔物と契を交わす《ライ》。
俺が俺に殺される時が来たら、
おとなしく命をくれてやる
魔物が与えた〝オボロの剣〟は、
《ライ》の舌に合わせて動き、
人を斬っては赤い血の雨を降らす。
血の雨はこの世を嘘に染め上げ、
《ライ》の嘘に心を射抜かれた人々は、
その思惑に絡め取られ滅ぼされてしまう。
現世を地獄に変えてのし上がり、
ついに王座に手をかける《ライ》。
だが、それこそが破滅の始まりだった――。
第一幕 11時30分~13時30分 (2時間)
(休憩30分)
第二幕 14時~15時27分(1時間27分)
カーテンコール終了は15時30分
【感想】
12月6日(金)新橋演舞場で歌舞伎NEXT『朧森に棲む鬼』観劇。
5年ぶりに新橋演舞場に出かけた。
演しものは「歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼」
観客の90%が中高年女性だった😁
2007年の劇団新感線の舞台「朧の森に棲む鬼」の歌舞伎NEXTヴァージョン。
劇団新感線の舞台では、冒頭朧の森のシーンで秋山奈津子さん真木よう子さん高田聖子さんの三人の朧が登場。
圧倒的な歌でスタートする。
歌舞伎ヴァージョンではどうなるのかな?と思っていた。
ここはキャストが歌うわけではなく、テープ📼で歌が流された。
テープ📼の歌は木津かおりさん。
ミュージシャンの演奏が劇団新感線の舞台におけるキャストの歌のかわりとなる。
基本ストーリーは新感線と同じ。
上手に三味線、浄瑠璃(歌い手)、鳴り物(拍子木)の三人が随時登場。
新感線には無い歌舞伎の要素が加わっていた。
役者の演技も歌舞伎のように見栄を切る演技あり。
ライを演じた松本幸四郎がとてもかっこいい。
キンタの尾上右近もテンションの高い芝居をみせる。
ヤスマサ将軍を朧からもらった舌先同様なめらかに動く剣で倒し都にむかうライ。
最初にとりいったのが、検非違使長官のツナ(中村時蔵)。
中村時蔵のツナは美人で良かった🤣
オーエ国のシュテンを演じるのは市川染五郎。
親子共演とオボロツとの二役をみごとにはたした。
これからの歌舞伎界を背負って立つことになるのだろう。
とても良かった。
シキブを演じた坂東新悟はイチノオオキミ(坂東彌十郎)とのかけあいと踊りに切れの良い動きをみせる。
演技も含めてとても良かったと思います。
マダレ(市川猿弥)と手を組んでのしあがっていくライ。
嘘と裏切りを重ねてサダミツ(尾上松也)とウラベ(片岡亀蔵)を追い落とし将軍に上り詰める。
圧巻だったのは、キンタをも裏切るシーン。
さらにシキブをも葬り去る。
新感線の舞台同様にライの突き抜けた”悪”は爽快ですらある。
第二幕でのライの衣装早替わりは新感線にはたぶん無い演出。
下手舞台で黒子のヘルプで鮮やかな衣装転換。
はなやかできれいな演出ですばらしかった。
ライが最後に滝の中で水💦びたしになるのも同じだった。
新感線の舞台では、滝の中のライがいつの間にか骸骨になって終わる。
が、歌舞伎NEXTでは水浸しになった松本幸四郎が、衣装を全取り換えして美麗な装束ですぐに再登場。
その後下手より花道の上空を宙乗り。
見栄を切りながら長時間宙乗りしたあと3階席に消える。
そしてカーテンコールとなるわけだが、たぶんさらに衣装替えして松本幸四郎は出て来たと思う。
思った以上にすごい舞台で感動した。
最初に書いたが観客の多くは中高年女性。
劇団新感線の舞台だと若い女性も多い。
やはり歌舞伎の敷居は高いのだろうか?
若者層を掘り起こさないと将来的に厳しい。
それでこんなNEXTと銘打った演目をやっているのだと思うがあまり成功はしていないようにみえた。
ちなみにチケットは一等席16,500円。
安い席種もあるがやはり2階席や3階席ではなく良い席で観たい。
新感線のように若者用にヤングチケットを販売するとかもう一歩工夫が必要だろう😁
第一幕は11時30分から13時30分まで。
休憩は30分🤣
いつもながら女性客が多くてトイレが大行列。
一階の男性トイレは大をいれて3つしかないのにガラガラなのとは対照的。
それでも第二幕が始まったのは定刻の14時。
終演は15時27分。
カーテンコールは始まってすぐにスタンディングオベーション。
わりとあっさり終演して場内が明るくなってしまった。
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