残念ながら番付戦では凡ミス2不戦敗2完敗1を喫してベスト10を逃しそうである。
発表された作品の中で印象に残った作品をレビューしてみたい。
まずは昨年の学校別の半期賞作品と平均点。
看寿賞も受賞したのは下期大学院井上徹也氏作「テンペスト」のみ。(赤字で表示)
上半期
小学校 小15 藤原俊雅 2.78
中学校 中22 武田裕貴 2.76
高等学校 高14 齋藤光寿 2.90
短期大学 短2 仲村勇之助 2.73
大学 大12 弘中祐希 2.87
大学院 院10 虎野亜奈 2.92
下半期
小学校 小25 藤原俊雅・岸本裕真 2.80
中学校 中14 梶谷和宏 2.81
高等学校 高12 津久井康雄 2.81
高13 弘中祐希 2.78
短期大学 短25 弘中祐希 2.84
大学 大7 森長宏明 2.80
大学院 院10 井上徹也 3.00
次に今年上半期の半期賞と下半期の最高点作品の平均点はどうか?
下記のとおりまとめてみた。
上半期
小学校 小25 藤原俊雅 2.78
中学校 中15 芹田 修 2.83
高等学校 高4 弘中祐希 2.82
短期大学 短12 齋藤光寿 2.83
大学 大7 渡辺直史 2.91
大学院 院10 添川公司 2.95「叢雲」
下半期(10月までの最高点)
小学校 小5 外谷健司 2.78
中学校 中14 昼間 勉 2.90
高等学校 高20 森長宏明 2.90
短期大学 短10 鈴川優希 2.95
大学 大9 高野真人 2.89
大学院 院1 添川公司 2.88「倭姫」
院3 藤井 猛 2.88
大学や大学院は解答者が少なく評点はあまり当てにならない。
短期大学以下は解答者も多く、評点はある程度参考になる。
上半期の半期賞受賞作は2.8越えの高得点揃い。
しかしながらあまり印象に残っていない。
一番印象に残ったのは小16 武紀之氏作の5手詰。
詰将棋パラダイス
4月号小学校16 武紀之氏作

解答者総数163名で誤53無16はすごい。
評価点は A69 B15 C7 平均2.68と低かった。
が誤無解をAとして計算すれば2.82となる。
評価点が低いからといってそれが低評価とは限らない。
行き詰まり氏(片山倫生氏)の「新たなる殺意」は183名中98名が誤解したがそれは平成元年(1989年)だ。
ソフト時代でこの結果は「新たなる殺意」に匹敵すると思う。
下半期は2.9越えが何作もあった。
中でも印象に残ったのは昼間勉氏の活躍。
下期最高点の中14のほか12月の短編コンクール発表作には感心した。
詰将棋パラダイス
9月号中学校14 昼間勉氏作

短10 鈴川優希氏作は短大では驚異の2.95。
詰将棋パラダイス
8月号短期大学10 鈴川優希氏作

中合入りの曲詰めで文句なし。
せめて看寿賞の二次選考にはすすんで欲しいものだ🤣
最後に長編分野である。
今年もっとも印象に残ったのはラスボス井上徹也氏の作品だ。
詰将棋パラダイス
11月号大学院10 井上徹也氏作

迂回手順のヒントや昨年のラスボスがあったのに歯がたたなかった。
昨年彼の「乱」の解説を聞いて、こういう整理・理解ができるから「テンペスト」のような作品を創ることができるのだなと思った。
本作も53歩が中合で出てきて「テンペスト」越え?と感心した。(無解だけどね🤣)
今年も2019年から続く11月号院10の看寿賞戴冠を6年連続で成し遂げそうだ。
その他長編では今年も添川さんの諸作品に感心。
レベルがキープされているのはすごい。
が、今年は突き抜け感はなかったかな(ゴメンナサイ)
あと印象に残ったのは藤井猛九段の力作長編。
詰将棋パラダイス
8月号大学院3 藤井猛氏作

高段棋士らしい難解な力作で印象に残った。
以上ふれなかった作品にも感心した作品はたくさんあった。
編集部や担当ならびに作家のみなさまには感謝の意を捧げ、今年も良い作品をたくさん発表してくださるようお願いします。
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