将棋youtuberたちが【大事件】藤井聡太竜王が一瞬のスキをついて大逆転!などと興奮気味に報じている🤣
やはり持時間が短い将棋ほどドラマが起きやすい。
ドラマが起きるためには当然
① 相手が強いこと
② 強い相手がうまい指し回しを魅せて終盤まで優位を保つ
ふたつの条件が必要だ。
名人戦や竜王戦のような持時間の長い将棋では起きにくい。
王座戦、棋聖戦、棋王戦や叡王戦の方が大逆転をみることが多い。
NHK杯戦の対増田康弘八段戦のようなことも起きる。
フィッシャールールはまさに藤井逆転将棋のためにあるようなルールではないか?🤣
本局では稲葉八段優位のまま終盤に突入。
140手目に稲葉八段が 7七歩 と詰めろで歩を打った。

7四歩 と銀を取って先手の勝ちに見えるが詰まされてしまう。
詰手順は 8九金 同玉 7八歩成 同玉 6九角 7七玉 7六金 6八玉 3八飛成 6九玉 4七角 5九玉 5八角成 まで
6九角 に 8九玉 は 6七角 と放して打って詰み。
6九角 に 6七玉 は 4九角 で詰み。
いずれも簡単な詰みだ。
よって 7四歩 とは取れず 7七同銀 と取った。
以下 8三銀 7四銀 と進行。

実戦はここで稲葉八段が 7二金打 と指してしまったので 7三銀不成 と金を只取りされて逆転となった。
かと言ってこの局面で後手勝ちを読み切るのはたいへんだ。
そういう局面にもっていくのが藤井七冠は抜群にうまい。
この局面後手玉はいわゆるZである。
桂を渡してもまだ詰みはない。
某将棋youtuberは 8六桂 が正解と示していた。
8六桂 は詰めろである。
8九金 同玉 7八桂成 同玉 6七角 同玉 6九飛成 5七玉 6七金 4七玉 5八角 3八玉 2六桂 2七玉 2九龍 2八歩 1五桂 2六玉 2五角成 まで。
したがって何か挨拶するしかない。
① 同歩 には 6七角 と打つ。
6七角 を 同金 と取れば 7九飛成 で詰みだから取れない。
6八金打 または 8九金 と受けるしかないが 7八角成 同金 8七桂 と打たれる。
以下 8八玉 7九桂成 同金 7六歩 と攻められて受けがない。
8七桂 に 8九玉 は 7九桂成 同金 6七角 で詰み。
8九金 と受けて 7八角成 を 同香 と取るのは 7九金 と打たれて受けなし。
8六桂 同歩 6七角 は後手の勝ち。
② 同銀 には 7六桂打 と 8八金 同金 7九飛成 8九金 8八桂成 の詰めろをかける。
7六桂打 にたいしての受けはふたとおり。
㋐ 7七銀
7七銀 には 6七角 と打つ。
8九金 なら 7八角成 同金 6七角 で受け無し。
7六銀 と桂を取って詰めろ逃れの詰めろをかけてきたら 7七角 と打つ。
7七角 は取れないので 8八桂 と合駒するしかない。
詰めろが解除されるので 7八角成 または 7六桂 で勝ちだ。
㋑ 8九金
8九金 には 7四銀右 同歩 6七角 と打つ。
後手玉には 8三桂 8一玉 9一桂成 7一玉 と王手はかかるが詰みはない。
以下 7三歩成 と取ってくれば 8八銀 以下詰ますことができる。
ところがそこで 7七銀 と受けられる。
7八角成 同金 6七角 で上記手順に準じて勝ちにみえるが 9三角 と打たれてしまう。
8二に合駒をするしかないがそこで 7三歩成 とされて後手の負けだ。
どうやら 8六桂 は 同銀 と取られて後手の負けのようだ。
戻って141手目 7七歩 に 同銀 の局面。

ここで 5九角 と打てば稲葉八段の勝ちのようだ。
7四歩 には 7七角成 8八金打 8九金 同玉 7八馬 同玉 6七銀 8九玉 7八角 同金 同銀成 同玉 7七金 同玉 7九飛成 6七玉 5五桂 同歩 5六金 5八玉 5七香 4八玉 6八龍 3九玉 4七桂 4九玉 5八龍 まで。
30手近い長手順の詰みとなる。
5九角 に対して 8九金 や 8八銀 と手駒を打って後手をひいて守る手は 6三銀 とかわされて切れ筋に陥る。
6八銀打 と先手をとって受けた場合は 同角成 同銀 7六桂打 と進行する。
以下 7四歩 なら 8八金 同金 同桂成 同玉 7六桂打 7七玉 8八銀 6七玉 6八桂成 同玉 5九銀 6七玉 5八角 同玉 3八飛成 5七玉 4七金 6七玉 6八龍 まで。
7六桂打 に 7七銀 と逃げれば 6七銀 と詰めろをかけられて負け。
8九金 と手駒を手放して受ける手は 6三銀 と受けにまわられて勝てない。
相当検討しても分からない難解な局面になっていた🤣
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