令和6年度看寿賞

6月23日に令和6年度看寿賞の速報が発表になった。
(昨年より1日早い)
今年も全部門で受賞作が出たのは良かった。
ネットでのフライング発表はいただけない
と今年もまた同じことを書いている。

短編の大崎壮太郎氏と長編の藤井猛氏は初受賞。
中編の渡辺直史氏は2回目の受賞おめでとうございます。
長編の井上徹也氏は3年連続8回目。
みなさんおめでとうございます。
昨年の6作から4作に受賞者は減ったが全部門受賞者が出たのは良かった(しつこい)

選評をみていないのでわからないが、毎年言っている全部門最低1作受賞作が満たされたので特に言うことなし。
来年も全部門最低1作受賞は厳守してもらいたい。(さらにしつこい)

今年の審査結果

短編賞 大崎壮太郎氏作
詰将棋パラダイス
11月号解答選手権(秋)
13手詰
令和六年度短編大崎.png

中編賞 渡辺直史氏作
詰将棋パラダイス
3月号大学
31手詰
令和六年度中編渡辺.png

長編賞 藤井猛氏作
詰将棋パラダイス
8月号大学院
155手詰
院4藤井猛氏作.png
長編賞 井上徹也氏作
詰将棋パラダイス
11月号大学院
293手詰
院10井上徹也氏作.png
今年のトピックスはなんと云ってもプロ棋士の受賞だろうか🤣
ネット発表作が受賞したのも今日的である。

令和6年度の学校の半期賞は下記の通り。
看寿賞も受賞したのは上期渡辺直史氏作と下期大学院藤井猛氏作。(赤字で表示)

上半期                     
小学校     小25 藤原俊雅  2.78
中学校     中15 芹田 修  2.83   
高等学校    高4  弘中祐希  2.82 
短期大学    短12 齋藤光寿  2.83   
大学      大7  渡辺直史  2.91     
大学院     院10 添川公司  2.95「叢雲」
下半期
小学校     小20 岸本裕真  2.69
中学校     中14 昼間 勉  2.90  
        中20 岸本裕真  2.88
高等学校    高19 弘中祐希  2.88 
        高20 森長宏明  2.90
短期大学    短18 有吉弘敏  2.90   
大学      大12 新井大輔  2.85
大学院     院4  藤井 猛  2.88

大学や大学院は解答者が少なく評点はあまり当てにならない。
短期大学以下は解答者も多く、評点はある程度参考になる。
(毎年同じことを書いている)

今年看寿賞を受賞した4作品のうち3作が学校の出題作。
今年も学校出題作の受賞が多かった。
3作のうち半期賞の受賞作は2作。
わりとすなおな選考に感じた(笑)
井上徹也氏作のノンタイトル作は解答者の評点も低く半期賞も受賞を逃した。
半期賞は逸したが看寿賞が受賞できて良かった。
気になる点はあるのかもしれないが昨年随一の挑戦的な難解作だったと思うので。

半期賞を受賞できなかった井上徹也氏作ノンタイトル作の評点は以下の通りである。

大学院     院10  井上徹也  2.50

正解者が4名しかいなかったのでやむをえまい。

看寿賞を受賞した渡辺直史氏の大7は2,91と高得点。
そのまま半期賞⇒看寿賞受賞につながった。
解答者の評価と選者の評価がシンクロした珍しいケースに感じた。
他にも2,90叩き出した作品は何作があったが残念ながら受賞ならず。

特に下半期の短期大学短10鈴川優希氏作が2.95と高得点。
こちらは半期賞も受賞ならず。

年末の「今年のベスト」では短編で印象に残った作品として下記をあげた。
4月号武紀之氏作5手詰
8月号昼間勉氏作他
短編は人により好みも違うので看寿賞受賞は運次第である🤣

長編分野で印象に残ったのはなんといっても井上徹也氏の11月号院10「ノンタイトル」
ずいぶん考え、昨年の「テンペスト」というヒントがありながら解明できなかった。
かえずがえすも残念である。
藤井猛九段の力作についてはノーコメント。
プロ棋士の作品としては
1983年 浦野真彦 (15手詰)
1994年 浦野真彦 「春時雨」 (185手詰)
1997年 谷川浩司 (25手詰)
1998年 内藤國雄(攻方実戦初形) (73手詰)
2004年 船江恒平 (39手詰)
に続く20年ぶり5人目6作目の受賞ということで良いのだろうか?
他に女流棋士の受賞作として下記のものがある。
2001年 高橋和 (15手詰)

今後は藤井聡太七冠や斎藤慎太郎八段の受賞にも期待したい。

選評を読まないと分からないが今年もおおむね妥当な審査結果のように感じた。
半期賞受賞作がそのまま看寿賞につながらないのもいいのではないかと思う。
高度な作品は人によって好みも違うので担当や選考委員の好みがもっと押し出されてもよかろう🤣

編集部や担当ならびに作家のみなさまには感謝の意を捧げ、今年も良い作品をたくさん発表してくださるようお願いします。

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