第36期竜王戦挑戦者決定三番勝負第2局 永瀬拓矢王座VS伊藤匠六段
昨日戦われた竜王戦の挑戦者決定戦 永瀬拓矢王座VS伊藤匠六段 はすごい将棋だった。
角換り腰掛銀から後手の伊藤匠六段が右玉に構えた。
それに対し永瀬王座が的確に対応してリードを保って中盤を乗り切る。
と金を3三に作り着実な攻めが見込まれる85手目 5八角 の局面は優勢。
攻め合いでは負けとみた伊藤匠六段が5一桂と打ったのには驚いた。
ここが中盤の大きなポイントだっただろう。
紆余曲折あったが終盤のポイントは105手目の 3五馬 から113手目の 6二銀打 までの10手足らず。
その前の局面の最善は多分千日手。
双方に疑問手があり105手目にいたっている。
3五馬 にたいしAIの推奨手は 3四歩 だった。
3四歩 を 同龍 と取ると 4四金 と打たれて攻め駒が一掃されて先手負けという解説はあった。
2六馬 と引かれた時どうやって勝てばいいのだろう?
2六馬 には本譜同様 8五歩 と打つ。
9三桂 なら 8六歩 と銀を取り、8一桂成 なら 8七歩成 で詰ますことができる。
9七銀 には 7八金打 9八玉 9七馬 同玉 9五歩 と詰めろをかける。
先手玉は必至で後手玉は詰まない。
攻防を逆転させる手があればいいがなさそうだ。
3四歩 と打って馬の利きを限定するのが大事だった。
本譜は 3四歩 を逸して 8五歩 と打ったため逆転して先手勝勢となった。
9三桂 8四飛 に 7一銀 と打ったのがAIの示した唯一の勝ち筋。
永瀬王座は最善手順をえらび、さす…